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2014年2月10日 (月)

№2238 1月に読んだ本

 毎月の月初めに、前月読んだ本や読書についての感想を書き、その3~4点にコメントをつけている。これは、このブログを書き始めてからの、1ヶ月一回の定例記事になる。

 先日ちらっと考えたのだが、自分は月に何時間本を読んでいるのだろうか。基本的に、私の読書スピードは一頁一分である。月平均5,000頁ほどの本を読んでいるのだが、その計算でいくと、大体83時間20分程だ。一ヶ月のウチ3日半を丸々読書に充てている計算になる。多いか少ないかは分からないが、そんなものかしらね。

 1月はブログにも書いたように、2泊3日でスキー旅行をした。この間ほとんど本を読めなかったのが、読書量に響いた。1月は、14冊・4769頁を読了した。昨年に比べても、一番少ない読了頁数だった。なかなか3日間の空いたスペースを埋めるのは難しい。

 それでは、具体的に何を読んだのか、リストアップしたい。

帚木蓬生『風花病棟』 新潮文庫 2011.11月刊

苅部直『物語岩波書店百年史3』 岩波書店 2013.10刊

宮本輝『三千光年の星たち(上)(下)』 毎日新聞社 2011.3刊

堂場瞬一『虚報』 文藝春秋 2010.1刊

つかこうへい『飛龍伝 神林美智子の生涯』 集英社 1997.1刊

楡周平『ラストワンマイル』 新潮社 2006.10刊

横山秀夫『出口のない海』 講談社 2004.8刊

浅田次郎『輪違屋糸里(上)』 文藝春秋 2004.5刊

池井戸潤『銀行総務特命』 講談社 2002.8刊

堂場瞬一『キング』 実業之日本社 2003.3刊

小川洋子『博士の本棚』 新潮社 2007.7刊

北方謙三『抱影』 講談社 2010.9刊

新田次郎『聖職の碑』 講談社 1976.3刊

 上記のうち、今月は3点を取り上げたい。

2014_0116_154321dsc00286  新田次郎の本は相当読み込んでいるはずであるが、本書はまだ読んでいない。

 基本的に、私は山岳小説が大好きで、その関連で新田次郎を読んでいた記憶がある。それでも、すでに30年以上も前の話だ。Wikipediaで検索してみた。『孤高の人』『銀嶺の人』『八甲田死の彷徨』『栄光の岩壁』『アイガー北壁・気象遭難』『孤愁 サウダーデ』をどを読んでいる。特に、登山家加藤文太郎を描いた『孤高の人』には感銘が深い。

 『聖職の碑』は、大正時代、高等小学校の生徒が木曽駒ケ岳登山で集団遭難した事件を題材にしている。主人公の校長赤羽長重は、麓の高等小学校の生徒25名とともに、実践教育の一環として夏の木曽駒ケ岳登山を実施した。

 出発当時は天気の崩れもなかったし、測候所に確かめても、天気の急変は予測できなかった。それが、稜線に出る頃には暴風雨となって、その一行を襲った。かろうじて避難小屋に辿りつくことが出来たが、その小屋も風に飛ばされていた。一緒に登山した青年団と修復作業をしたのだが、雨と風は幼い命を容赦なく奪っていった。

 青年団の一部は、引率教師の指示に従わずに、勝手に下山していった。今から考えると、この行動が一層犠牲者を増やすことになった。結果として11名の生徒と、奮闘した校長加藤も、あえなく命を落とすことになってしまった。黎明期の登山の悲劇は、涙なしには読めなかった。

 有志の先生を中心に、遭難地点に碑を建てようと動いた先生がいた。今でも、その碑は残っているらしい。また1978年、鶴田浩二主演の映画にもなったようだが、私は観ていない。

2014_0116_135701dsc00284_2  私は、浅田次郎の熱烈なファンというわけではない。それでも、ぼちぼち読んでいるかな。矢張り浅田の本を検索してみると、『プリズンホテル』『蒼穹の昴』『日輪の遺産』『鉄道員ポッポヤ』『壬生義士伝』『地下鉄に乗って』『終わらざる夏』『マンチュリアン・レポート』『一刀斎夢録』などだ。記録を見ると、もう20年も前だ。なぜ浅田を敬遠しているかというと、彼の作品は、出来不出来があまりにも甚だしいのだ。というか、ふざけて書いたとしか思えない作品が目についた。

 ただ、今回の『輪違屋糸里』は歴史小説として面白く読めた。舞台は幕末の京都である。輪違屋は、京都島原の色街にある置屋だ。この置屋に小さい時に北陸からいとという子どもが買われてきた。彼女は島原最高の【大夫(こったい)】の付き人をし、天神とよばれていた。

 その大夫が、島原の街のど真ん中で【みぶろう】(後の新撰組)の局長芹沢鴨に一刀両断されたのだ。この小説は、島原の置屋の話というよりも、新撰組の前身【みぶろう】が話の中心だ。みぶろうと、お抱えの会津藩との葛藤、新撰組内での芹沢と近藤勇との関係等面白く読めた。

 芹沢鴨は、近藤勇に暗殺されたのも初めて知った。近々、再度『壬生義士伝』を読んでみよう。

2014_0116_135631dsc00283  池井戸潤は、最近読みはじめた作家の一人だ。初めて読んだのが『下町ロケット』だ。鮮烈な印象のまま、夢中で読んだ記憶がある。その時は、池井戸潤は何者か知らなかった。知らないまま、『ルーズヴェルトゲーム』『鉄の骨』等を読んだ。これらに満足して、一体池井戸潤とは何者か初めて意識した。

 そのうち、テレビドラマで【半沢直樹】が大ブレークした。あらためて池井戸の著作リストを見ると、ビジネス小説といわれるものが多いのに驚いた。私は「ビジネス小説」が嫌いではない。高杉良の一連のビジネス小説はほとんど読んだし、最近では城山三郎の小説にも徐々に手を染めている。

 今回読んだ『銀行総務特命』は、半沢直樹に通じるものだ。

 主人公指宿修平は、大手都市銀行総務部の特命担当である。大銀行はスキャンダルを恐れる。事前にそのスキャンダルを察知して、大きくなる前に抑える仕事だ。ところが、銀行には様々なスキャンダルがある。一つ一つ潰していく話を、短編ミステリー調に描いた小説だった。

 銀行には、様々な派閥がある。指宿の仕事に良からぬ思いを抱く一派の「総務部特命担当潰し」の策動を含め、面白く読めた。もう少し、池井戸の【ビジネス小説】に付き合ってみたいと思う。

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コメント

Shinさん
相変わらずの読書量に感服!
帚木蓬生も読まれていらっしゃるようですが、「薔薇窓」は読まれました?
まだでしたら、新潮文庫上下版でお読み下さい。解説を姉が書かさせて頂きました。
私は今から十年程前、家内が精神科の専門病院に入院中に読んだので、臨場感はバッチリでした!
しかし、著者名としては難読!

投稿: アスペル山ちゃん | 2014年2月11日 (火) 午後 02時53分

アスペルス山ちゃん

コメントありがとう
基本的に、帚木蓬生の小説は
ほとんど全部読んでいます。
もちろん『薔薇窓』もです。
大好きな作家の一人ですね。

投稿: シンさん | 2014年2月11日 (火) 午後 05時58分

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