№2276 おがさわら丸の25時間半
竹芝桟橋を午前10時に出港した【おがさわら丸】は、一路小笠原列島に向かった。到着予定時刻は、翌朝の11時30分である。何と25時間半の航行だ。ひたすら、海の穏やかなことを祈った。とはいっても、持参した乗り物酔いの薬は出航前に飲んでおいた。
旅行会社のガイドが「船の中で食べるものは、あらかじめコンビニで買って行ったらどうですか」とのアドヴァイスで、目の前にあるコンビニで昼食と夕食、おつまみ、お酒などを買いそろえた。
私は、このような長い船旅は初めてのことだ。さて、どうなるものやら、若干不安がないわけではなかった。
東京湾内は波も静かで、ほとんど船が揺れることはなかった。羽田空港から飛行機が頻繁に離発着するのも眺められたし、アクアラインの海ほたるも目の前にある。こんな穏やかなのも今のうちだろう、と仲間内で話した。
さて、波の静かなうちに昼食を摂ろう。船の中の一角をわがグループで占領して、豪華なランチパーティを始めた。ビールを5本買ってきたのだが、瞬く間に飲んでしまった。さらに、日本酒の2リットルパックも買ったのだが、それもあらかた平らげた。
良い気持ちになったので、全員でお昼寝だ。われわれがとった船室は雑魚寝のだだっ広い広間だ。Cデッキというから、下から三番目の階層のようだ。波の音は、あまり気にならなかった。さて、女性がとった特二等という船室はどうだろうか。のぞかせていただいた。寝台列車のように二段ベッドだった。幅も十分にあり、すごしやすそうな部屋だった。
昼寝から起きたら「お腹がすいた」という人がいた。まだ食べたばかりだろうに。どうやら、級長はお酒は飲んだが、何も食べていなかったようだ。夕食は、矢張りコンビニで買ってきたものばかりだ。それぞれを見たら、きめ細かく賞味期限が設定されているようだ。念のために、賞味期限の切れたものは、食べるのを止そうじゃないか。一角で、またデナーパーティだ。
Kukiちゃんが「ちょっと気持ち悪い」と引き上げていった。われわれも早々に引き払い、ベッドに入ったのが9時前だった。そのまま寝た。朝4時に目が覚めたが、みなさんグッスリ寝ているようだ。それにしても、船酔いをしている人はほとんど見かけない。波静かな船旅は、最高の気分だ。
朝食は、船のレストランで摂ることにした。「まだコンビニ弁当が残っているよ」というが、まあ、昨日の昼食と夕食だけでいいのではないか。私は、いつものパン朝食だ。皆で話したのだが、それにしても揺れの少ない快適な船旅だ。
小笠原に行く船の中から見た太平洋は、波静かだ。しかしよく見ると、船脚は結構速い。22ノット(時速約40km)というのだが、飛ぶようなスピードだ。船の周りには、ミズナギドリなどの海鳥が飛んでいる。
しばらく、海面をそれとなく見ていると、海から塩が吹きあがっているのが見えた。「アッ、クジラじゃないか」と誰かが叫んでいた。よく観察すると、背びれやしっぽがはっきり見えた。「2頭いるから、親子じゃないの」という人もいた。それにしても、間近にクジラを見ることができるなんてラッキィだったね。
聟島列島を左手に見ながら、6700トンの船は快調に進んでいく。大きいのか小さいのかは知らないが、揺れが少ないせいか、船旅もなかなか良いもんだ。
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