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2014年6月 9日 (月)

№2357 5月に読んだ本

 不思議なもので、面白い本を読んでいる時には寝る間が惜しい。頁がどんどん進んでいくが、あまり面白くない本に当たると、なかなか進んでいかない。5月はそういう月であった。読書リストを眺めても、この本は印象に残った、というものが少なかった。

 何度か申し上げているが、本を読む月には波がある。どんどん読める月と、なかなか進めない月である。これはという本に出合わなかったせいか、5月の読書は低調であった。そう思いながら【読書記録】をみると、不思議と例年5月の読書は低調だ。2010年が4,216頁、2011年が4,712頁、2012年が4,207頁である。昨年こそは、5,091頁と5,000頁越えだったが。

 今年も低調だったのは、5月という月と関係しているのかもしれない。さて、5月は12冊・4,564頁の本を読んでいて、不満の残る月だった。そして、翌月には頁数を復活するのが常である。これではいけない、と強烈に反省するからである。

 例月のように、具体的に何を読んだのかリストアップしたい。その上で、印象に残った本2~3点について書きたい。

池井戸潤『民主』 ポプラ社 2010年5月刊

誉田哲也『あなたが愛した記憶』 集英社 2012年6月刊

坂東真砂子『やっちゃれ、やっちゃれ』 文藝春秋 2010年7月刊

服部真澄『エクサバイト』 角川書店 2008年1月刊

逢坂剛『バックストリート』 毎日新聞社 2013年6月刊

佐々木譲『地層捜査』 文藝春秋 2012年2月刊

坂東真砂子『朱鳥(あかみどり)の陵』 集英社 2012年3月刊

山本兼一『ジパング島発見記』 集英社 2009年7月刊

三浦しおん『神去なあなあ夜話』 徳間書店 2012年11月刊

真保裕一『繋がれた明日』 朝日新聞社 2003年5月刊

吉田修一『路(ルウ)』 文藝春秋 2012年11月刊

山本兼一『雷神の筒』 集英社文庫 2009年3月刊

Dsc01303 好きな作家3人を上げよといわれたら、私は間違いなく逢坂剛・大澤在昌・船戸与一を上げる。この3人の作品は、ほとんど読んでいるのではないか。今回の逢坂剛『バックストリート』も、昨年出版された新刊だ。

 逢坂剛の作品は戦争もの、お茶の水警察署シリーズ、スペインものも好きだが、岡坂神策シリーズも大好きだ。ただ、逢坂の時代小説は、私はあまり読まない。このシリーズは、この作品で9作目というが、ほとんど全部読んでいるはずだが、そんなにあったのかしらね。

 なぜこのシリーズが好きかというに、私が30数年勤務していた神保町が舞台だからだ。この小説を読んでいると、既知の店、知らなかった神保町の顔を知らされて、たえず新しい発見があるからだ。

 逢坂さんは博報堂に勤めていたが、博報堂が神保町から移転したのを機会に勤務を辞めたようだ。そして神保町に個人事務所を構え、古本屋とか様々な料理店を徘徊しているようだ。私は2~3度しかお会いしたことはないが、古本屋では顔馴染みらしい。

 今回の話は、神保町の近くにフラメンコを見せるレストラン・バー【サンブラ】という店が開店したことに始まる。現代調査研究所所長岡坂は事務所の向かいの弁護士桂本忠明を誘って、早速乗り込んだ。その店の踊り子神成真理亜に関わることで、変な尾行がついた。

 話の途中で、ドイツの夭折作家ハインリッヒ・フォン・クライストの話が延々と展開され、少々退屈した。だが、この作家の話がこの小説の要点だと気がついた。いかにも、逢坂らしい小説で、充分楽しめた。
Dsc01302

 小説は読んだときが新刊、とつくづく感じる。私は、この2月まで山本兼一という作家を知らなかった。2月に57歳で亡くなったという新聞記事を読み、そういえば彼の小説を読んだことがないと思い、手にとった。そして、この『ジパング島発見記』は4冊目である。

Dsc01634 私の大好きな小説のジャンルは、『歴史小説』だ。私が読んだ山本の本は、いずれも信長・秀吉が活躍する戦国時代末期だ。ちなみに、時代としては激動のこの戦国時代の話を読むのも、また大好きだ。

 この小説は、16世紀、日本の地を踏んだ7人の西洋人の目を通してみた当時の日本の姿だ。小説は7つの短編連作のかたちをとっているが、テーマは【日本が西洋文明に出会った時】である。

 種子島に鉄砲を伝えたポルトガル人、メンデス・ピント、フランシスコ・ザビエル、ルイス・デ・アルメイダ、フロイス、カブラル、ヴァリニャーノと主人公は様々であった。いずれも、ほとんど日本史には登場しない人物なのだが、山本は当時の資料からこの人物たちを探し出し、小説にした。新鮮だった。この流れの中で、今月は山本のもう一つの作品『雷神の筒』を読んだ。これにも満足した。

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