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2014年9月 8日 (月)

№2448 8月に読んだ本

 今年ももう9月に入り、3分の二が過ぎてしまった。それにしても、8月は異常気象というか、例年のような暑さは経験せずに済んだ。だからといって、読書が進んだわけではない。那須に来たお客や自然観察合宿などで、結構忙しい日々を過ごした気がする。ただ、どんなに忙しくとも、読書は進む。

 ちなみに記録を紐解くと、2010年は9冊・4717頁、2011年は12冊・4643頁、2012年は14冊・5239頁、2013年は11冊・4168頁と、8月は例年決して読書が進む月ではない。暑いのと那須への来客が多いせいだろう。ただ、今年は例年と同じだったにもかかわらず、13冊・5157頁の本を読了した。5000頁読了を及第点としているので、今年はかろうじて合格かな。

 後に読んだ本を記すが、それにしても大作というか、頁の多い本をたくさん読んだ。一冊平均約400頁だ。面白い本も多かったが、つまらない本を読み通すことは辛い。読みはじめたら最後まで読み通すことをモットーにしているのだが、本当に大変だった。

 それでは、8月は何を読んだのだろうか。

加賀乙彦『ああ父よ ああ母よ』 講談社 2013年3月刊

植松三十里『黒鉄の志士たち』 文藝春秋 2013年9月刊

百田尚樹『錨を上げよ(上)(下)』 講談社 2010年11月刊

夢枕獏『シナン(上)(下)』 中央公論新社 2004年11月刊

山本兼一『白鷹伝 戦国秘録』 祥伝社 2002年4月刊

宮本昌孝『家康死す(上)(下)』 講談社 2010年9月刊

津村陽『八月の砲声 ノモンハンと辻正信』 講談社 2005年8月刊

津村節子『土恋』 筑摩書房 2005年10月刊

スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』 中央公論新社 2006年11月刊

藤田宜永『喜の行列 悲の行列』 毎日新聞社 2008年7月刊

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 今月読んだ本で、何といっても感動したのが『シナン』だ。夢枕獏という人は、不思議な作家だ。私は決してファンというわけではないが、おどろおどろしい怪奇小説を書くかと思えば、まともな歴史小説も書く。『読書日誌』を検索してみると、意外と夢枕獏を読んでいるのに驚く。中でも印象に残ったのが、『神々の山嶺』、『沙門空海 唐の国にて鬼と宴す』であろうか。

 さて、今回はどういう物語だろうか。果たしてシナンとは一体何だろう。あまり期待しないで読んだ割には、物語にどっぷり浸かった。本当に良い小説だった。

 シナンは、16世紀オスマントルコの宮廷建築家だ。トルコのイスタンブール、エディルネにセリミエ・ジャーミーという世界最大のモスクを立てた男だ。

 その当時、イスタンブールにはすでに聖(アヤ)ソフィアという世界最大のモスクがあり、それ以上のモスクを建設することは、技術的に出来なかった。私がなぜこの小説に魅かれたかというと、2度ほどトルコを訪ね、イスタンブールの街をフラフラ歩いたからだ。その当時、私はモスクに関心を持っていなかった。

 それが、この小説を読んで俄然モスクに興味を持った。聖ソフィアの隣に、これも大きな【ブルーモスク】がある。この建築物を見ただけで満足し、聖ソフィアは覗かなかった。まして【セリミエ・ジャーニー】など関心を持つに至らなかった。近くまで行きながら訪問しなかった聖ソフィアのことを思うにつけても、つくづく残念なことだ。

 この小説を読んで、もう一度イスタンブール旅行を思い立った。ただ、スケジュール表を見ると、2週間もの旅行の日程はどうしても取れない。イスタンブールという街は、私が海外旅行した中でも、最も興味のわく面白い街だった。この小説を読んで、再度トルコに興味を抱いたのはもちろんである。

 夢枕も、この小説を書くきっかけが、NHKの特集でトルコを訪れたことだといっている。その特集を見ることが出来るだろうか。

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 詰まらなかったが、我慢して大作を読みとおしたのが『錨を上げよ』だ。百田尚樹は、『永遠の0』、『海賊と呼ばれた男』で今や絶好調の作家だ。私は両書を読んだがとっても面白かった。かといって、彼の政治姿勢に同意する訳にはいかない。安倍政権のポチというか、尻馬に乗って右翼的言辞を吐いているのが気に食わない。

 さて、この『錨を上げよ』はどういう本だったのだろうか。上下本合わせて1200ページにのぼる大作だった。その割には、いつまでもぐずぐずと物語が立ち上がらない。錨という表題から海の戦記小説かと勘違いしていたのだが、どうやら彼の自伝小説のようだ。

 いずれ百田尚樹などに興味のない私には、1200ページにのぼる小説は極めて退屈で、冗長極まりなかった。それでも読み終える自分が凄い。

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 8月読んだ本でもう一冊あげるとしたら、『家康死す』だ。この小説を読んですぐに思ったのが、隆慶一郎『影武者徳川家康』だ。この『影武者徳川家康』は、私が今まで読んだ小説の中でも最高傑作ではないかと、今でも思っている。

 どうやら、宮本昌孝も隆慶一郎の大ファンだったという。隆は油に乗りきったころ、若くして突然亡くなった。私は隆の本をほとんど読んだが、もっともっと読みたかったというのが正直なところだ。どうやら、宮本昌孝も同じ心境だったらしい。

 本書は、宮本昌孝が『影武者徳川家康』に挑戦した渾身の一作、と書評誌には書かれている。

 この本によると、家康は26歳に暗殺されたという。家康と称する人物は、暗殺された時に重臣から代理に立てられた家康そっくりの人物だったらしい。家康が影武者と知っているのは、重臣の中でもわずか3人だった。ただ、家康役を演じてみると、そのことを知っている人間はだんだん邪魔になる。

 さらに、影武者家康の最大の関心事は、後継ぎを誰にするかである。すでに正真正銘の家康には、世継の信康がいた。この世継を排除して、自分の子どもを世継に仕立てるための暗闘が、この物語の主題だ。まあ、まあ、読んで楽しめる小説だった。

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