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2014年11月 8日 (土)

№2509 10月に読んだ本

 何度も申し上げているようで恐縮だが、読書量には波がある。どんどん読める月もあれば、なかなかはかが行かない月もある。原因は何かと考えるに、面白い本に出会った月は読書量が多い。10月もそんな月だった。

 どんどん本を読み飛ばした、というのが正直なところである。一冊読み終わると、読んだ本を咀嚼することもなく、次の本を読み進む。結果として、前に読んだ本の内容などすっ飛んでいる。まあ、これがわが読書の流儀である。新しい本を読むとともに、前に読んだ本はどんどん忘れる、これで良いのじゃないかな。

 ということで、10月も結構高水準で読書が出来た。私の読み進むスピードは、概ね1分1頁である。一日200ページ、月に6000ページを読みたいと思っている。1日200頁というと、3時間20分である。まあ読める日もあるが、一日空けると取り戻すことが困難だ。10月は17冊、5954頁の読書量だった。まあ、合格の部類かな。

 具体的に何を読んだのかを紹介したい。

佐藤賢一『新徴組』 新潮社 2010年8月刊

夢枕獏『東天の獅子第2巻・第3巻』 双葉社 2008年11月刊

安部公房『燃えつきた地図』 新潮社 1967年9月刊

金井美恵子『重箱のすみ』 講談社 1993年6月刊

小泉孝一『鈴木書店の成長と衰退』 論創社 2014年9月刊

梛月美智子『恋愛小説』 講談社 2010年11月

宮本昌孝『陣星(いくさぼし)、翔ける』 祥伝社 2011年11月刊

半藤一利『隅田川の向う側ー私の昭和史』 創元社 2009年3月刊

村山由佳『ヘブンリーブルー』 集英社 2006年8月刊

八尋舜右『森乱丸 若き秘書官の人生』 PHP研究所 1996年6月刊

村山由佳『ダンス・ウィズ・ドラゴン』 幻冬舎 2012年5月刊

藤田宜永『女系の総督』 講談社 2014年5月刊

八尋舜右『小説 立花宗茂』 PHP研究所 1997年11月刊

山本兼一『役小角絵巻 神変』 中央公論新社 2011年7月刊

熊谷達也『微睡みの海』 角川書店 2014年3月刊

アゴタ・クリストフ『悪童日記』 ハヤカワ文庫 2001年5月刊

 この中で印象に残った3点を紹介したい。

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 私が夢枕獏を読み始めたのはこの2~3年かと思い検索してみたら、1997年9月に『神々の山嶺』という本を読んでいた。ただ、集中的に読み始めたのは、矢張りこの2~3年である。「おどろおどろしい作品を書く作家」という思い込みがあり、むしろ敬遠していた。ところが、そうでないことが分かった。

 『沙門空海唐の国にて宴す』、『シオン』、『天海の秘宝』、『大江戸釣客人』などの長編は夢中で読んだ記憶がある。そして、本書『東天の獅子 天の巻』(全4巻)である。私には、大長編小説は大歓迎だ。ところが本書を読んでみて分かったのだが、この本はまだ「天の巻」で、さらに「地の巻」と続くらしい。続編はこれからというのだ。

 物語の初めに語っていたのは、海外に渡航し、結局日本に帰らなかった柔術家の話を書きたいとの宣言だった。その柔術家・前田光世の話は、結局この物語では展開されなかった。どういう物語か読み進んでわかったのは、講道館柔道・嘉納治五郎とその門下生を巡る話だった。

 嘉納治五郎は、講道館をはじめるにあたって、門下生からは一銭も貰わなかった。自分で翻訳し、学習院の先生の収入をその運営に充てていた。講道館開所の当初はきらびやかな門人に囲まれていた。その中でも一番印象に残ったのが西郷四郎である。私も事情は詳しくはないが、漱石の『三四郎』のモデルとなった人だろうか。

 門人たちが、警視庁の武道大会で勝ち続け、一躍講道館の名前が世に広まった。町の柔術道場に通っていた門人が、雪崩を打つように講道館に通い始めた。それぞれの門人の対決も、非常に面白く読めた。

 夢枕は、この小説をここまで書きあげるのに11年かかったという。それで、まだ前篇なのだ。小説家の息の長さに驚き呆れるとともに、果たしてこの小説は完成するのだろうかと訝った。それにしても、面白かった。

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 半藤一利は、文藝春秋の編集長でもあったし、漱石の孫娘の旦那としても有名である。そして、半藤は保守派論客の代表かとも思われていた。彼の立ち位置は変わっていないのだろうが、世の中は半藤を追い越して、保守反動になびいているかに思われる。今では、半藤は『憲法九条を守る代表選手』に祭り上げられているから、世の中は面白い。

 私は、半藤の【日本近代史】の話を好んで読んでいる。どういう本を読んでいるか検索してみたら、『ノモンハンの夏』、『真珠湾の日』、『日本のいちばん長い日』、『昭和史 戦前篇・戦後篇』、『幕末史』などがあげられる。半藤の話は、日本史でもあまり語られていない日本近代を詳細に記し、ものすごく勉強になる。彼は信用するに足る歴史家だろうと思っている。

 今回の話は、半藤の半自伝である。向島に生まれた半藤は、父の生家のあった新潟県長岡に疎開し、そこで高校生活を送った時に終戦になった。上京し、浦和高校を経て東京大学に入学した。東大ではボート部に属し、ほとんど大学にはいっていなかったようだ。

 子ども時代の下町の話、ボート部時代のエピソードなどが面白かった。

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 佐藤賢一という作家は、私にはむしろ苦手な作家だ。私は佐藤の小説を沢山読んでいるが、その難渋さに辟易している。題材がフランス中世ということもあるが、小説の説明が私にとってはクドイのだ。最後まで読み進めはするのだが、読んだ後は疲れてしまう。

 それでも、時々は佐藤賢一の本は読む。今回読んだ『新徴組』は、果たして新撰組とどういう違いがあるのかという興味でだった。新撰組は京都で活躍したが、いわば兄弟組ともいうべき新徴組は、江戸で警備・治安を守った。そして幕末である。

 新撰組もチリジリになったが、新徴組もやはり新政府に追われていった。会津が落ち、最後に逃げたのが庄内である。あくまでも新政府に対決していったが、限界があった。ここで語られた【東北列藩連合】は、私にはきわめて興味のある話だった。というのも、私が生まれた町の藩も、新政府と幕府軍の狭間に翻弄されたからである。

 鶴岡に生まれ、今でも鶴岡に住む佐藤賢一は、郷土の大先輩藤沢周平に続いて、庄内の歴史を語ろうとしている。そこに、共感が持ていた。

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