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2015年3月 9日 (月)

№2631 2月に読んだ本

 毎年2月はそうなのだが、例月から2~3日短いので、読書量には注意している。最近では、最低でも月に5,000頁は読もうと努力しているのだが、特に2月はよほどしっかり読まないと目標には届かない。まして、2月は8日間も台湾旅行をした。たえず読書量はチェックした月でもあった。

 それでも意識付けがはっきりしているせいか、【読書記録】をみると2月は例年、予定通り読んでいる。2012年こそ4,587頁と少なかったが、2013年は5,162頁、2014年は5,228頁だった。そして今年、2015年は13冊、5,116頁の読了数とまずまずだ。

 この頁数を達成するために、2月28日の最終日には一日300頁も読んだ。何をそんなバカなことと思われるかもしれないが、私の年代はそういう年代だと諦めている。それでは、具体的に何を読んだのか紹介したい。

堂場瞬一『複合捜査』 集英社 2014年12月刊

宮本昌孝『北斗の銃弾』 講談社 1998年4月刊

高嶋哲夫『命の遺伝子』 徳間書店 2002年8月刊

宮部みゆき『英雄の書(上)(下)』 毎日新聞社 2009年2月刊

山本兼一『まりしてん誾千代姫』 PHP研究所 2012年11月刊

馳星周『ソウルメイト』 集英社 2013年6月刊

笹本稜平『漏洩 素行調査官』 光文社 2012年5月刊

馳星周『帰らずの海』 徳間書店 2014年6月刊

白石一文『神秘』 毎日新聞社 2014年4月刊

山本兼一『神変 役小角絵巻』 中央公論新社 2011年7月刊

小野民樹『百年の風貌 新藤監督との対話』 芸術新聞社 2015年2月刊

高浜虚子『俳句への道』 岩波文庫 1997年1月刊

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 先ず最初に紹介したいのが、『百年の風貌 新藤監督との対話』である。著者の小野民樹は、私の盟友でもある。同じ会社にほぼ同期で入り、退職したのも何カ月も違わなかった。退職後は会社のほとんどの方との関係を断っているが、小野さんだけとは年に一度ほど会っている。彼は退職後、ある大学の教授になった。なかなか偉いものである。

 この本は、私が彼に慫慂して書いていただいたものだ。仕事も忙しかったようだが、家庭内の様々な事情もあり、出版までにはほぼ一年遅れた。初稿を読ませていただいていたのだが、なかなか出来栄えがいいと彼を励ました。そしてようやく上梓した。

 彼は現役時代から、新藤兼人さんとの親交が厚かった。彼の力で新藤兼人さんの本が沢山出版されることになった。その事情も、この本には書かれている。私は新藤兼人さんと奥さんの乙羽信子さんに関心を持っていた。その事情もこの本には載っている。

 新藤兼人さんは2012年5月、100歳を超えて亡くなった。小野さんの紹介で一度酒席を同じくした。10年以上も前だったか。90歳を超えた新藤さんの記憶力の確かさに舌を巻いた。

 『あとがき』に私との関係も述べている。「書くことをすすめてくれたSさんは、かつて落日の出版社で明るく苦労した同僚である。私は声をかけてもらって嬉しかった。新藤さんの三回忌に合わせたいと思ったが、遅れてしまったことが心残りである。」

 持つべきものは、心の通い合った友だちだね。

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 私はこの毎月の読書感想で、ずいぶん山本兼一を紹介してきた。それは、山本の小説にそれそれがインパクトが強かったからでもある。2月に読んだ『神変』も夢中になって読んだ一冊である。

 主題は、持統天皇の御代に生きた役小角(えんのおずぬ)と大和朝廷との対立の話だった。役小角の小説は、何度か読んでいる。筋が似ているなと考えて、何だったのか思い出してみると、2011年7月に読んだ黒岩重吾の『役小角 仙道剣』だった。

 ただ、黒岩と山本の大きな違いは、山本の役小角の闘いは大和朝廷の権力への反抗として捉えた点だ。よく考えてみればわかることだが、当時は大きな寺や仏像、都が造られた。生産力の低いその時代、相当な収奪があったと想像される。役小角の闘いは、その収奪への反抗と捉えた山本の小説には、目を見開かされる思いだった。

 それでも、大きな権力には勝てないというのが悲しい話だった。

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 私は白石一文が好きで、新たな小説が発売されると必ず読んでいる。ただ、彼の小説はすんなり読んでいる割には、あまり印象に残っていないのはどうしてなのかしらね。

 この小説は、多分に自伝的な要素を含んでいた。白石一文は、文藝春秋社で『文藝春秋』や『週刊文春』の編集長を経て、役員にまで上り詰めた人だ。この小説では、癌が発見されて社を休職した時の話が書かれていた。本当に彼が癌を患ったのかどうかは知らない。

 在職中、彼に変な手紙が来たのを強烈に覚えている。それは、神戸に住む病を治す力のある女性からの手紙だった。休職後、彼女を捜して神戸に移住する。ただ、その手紙はあやふやだったし、この間、神戸淡路大震災で神戸の街が壊滅に帰した。

 神戸のマンションに移り住み、彼女の消息を訪ねたが、分からなかった。その間、神戸でいろいろな人との邂逅を重ねる。探し訪ねた人が、意外と近くにいたのには驚く。これも何かに導かれてのことであった。

 この小説では、人と人の邂逅にはある必然性があると考えさせられた。非常に面白かった。

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