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2015年6月11日 (木)

№2725 5月に読んだ本

 【本を読む行為】というのは果てしない、とつくづく感じる。これで良いということはあり得ない。一冊読み終わると、次はどんな物語が待っているのかな、と本の山を見てワクワクする。

 また、私がいままで読んでいない作家を発見する楽しみもある。いま夢中になって読んでいる作家は、笹本稜平・高嶋哲夫・堂場瞬一・安部龍太郎の4人である。彼らの本棚に行き、次々と読了する楽しみは、何にも代えがたい。ただ問題は、あまりの読書スピードに、読んだ本を忘れてしまうことだ。

 何度も言って申し訳ないが、私のいまの生活の基軸は【読書】である。本を読む楽しみがあるから、毎日に張りがある。さて、5月は14冊・5579頁を読了した。この読了数は、最近安定している。生活の一部になっている証拠でもある。さて、それでは何を読んだのか紹介し、3冊ほどの紹介をしたい。

帚木蓬生『天に星 地に花』 集英社 2014年8月刊

平山周吉『戦争画リターンズ』 芸術新聞社 2015年4月刊

北方謙三『血涙 新楊家将(上)(下)』 PHP研究所 2006年12月刊

安部龍太郎『五峰の鷹』 小学館 2013年12月刊

辻仁成『まちがい』 集英社 2012年1月刊

白石一文『愛なんて嘘』 新潮社 2014年8月刊

高橋克彦『たまゆらり』 実業之日本社 2009年4月刊

宮本昌孝『風魔外伝』 祥伝社 2014年10月刊

笹本稜平『帰るべき場所』 文藝春秋 2008年6月刊

笹本稜平『遺産』 小学館 2013年10月刊

佐々木譲『回廊封鎖』 集英社 2012年8月刊

辻原登『寂しい丘で狩をする』 講談社 2014年3月刊

馳星周『雪炎』 集英社 2015年1月刊

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 何といっても、私の大好きな作家は帚木蓬生である。彼の小説を見たら、何はさておき買ってしまう。ちなみに、帚木蓬生の本を何冊読んだか検索してみたら、20冊であった。ただ、ブックリストにない本で、『逃亡』『国銅』なども印象深い。主要な作品はほとんど読んでいると思うが、どうだろうか。

 帚木蓬生は異色な作家で、東大文学部を卒業して九州大学医学部に入り直したという。精神科医で、彼の医者の観点から描く小説は、私の知らない世界に目を見開かせてくれる。時代小説にも、新たな境地を開いているのではないか。

 この小説は、九州久留米藩の百姓一揆の話だった。凶作が続く農民に、藩の財政事情から増税を課した。事情は、殿様の贅沢のためだった。それに反発する農家の大一揆が起ころうとしていた。一度一揆がおこると、首謀者だけではなく、抑えられなかった担当者にも重い罰が科される。

 江戸時代、農村を舞台に農民がどういう状態に置かれていたのか、なかなか考えさせられる一作だった。と同時に、賢者の殿様と愚者の殿様を持つ違いについても考えさせられた。

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 ある方に薦められて読んだ本だ。副題が「藤田嗣治とアッツ島の花々」とある本書は、藤田嗣治の行動と戦争画が戦後どういう状態に置かれていたのか、考えさせられた良書であった。

 私は、藤田嗣治についてはあまり詳しくないが、戦争中は、戦争を美化するために絵を描いたと批判されていたようだ。そして、その最大傑作が『アッツ島玉砕』だという。主には、この絵画を巡っての様々な動きが詳細に記された本である。

 なぜ、アリューシャン列島の端にあるアッツ島がフレームアップされたのか、それは日本軍とアメリカ軍の思惑の違いにあったようだ。アッツ島は、岩だらけの不毛の島だったらしい。当時の軍は、ほとんど戦略的に意味のない島に、飛行場を作ろうとしていた。それを阻止しようとした米軍との間に、壮絶な戦闘があった。

 そして、日本軍は【玉砕】と呼ばれるが、全滅したのだ。藤田は、その場面を『アッツ等玉砕』として昭和18年に描いた。当時も傑作と評されたが、戦後はほとんどの戦争画がアメリカに接収された。その絵が、様々な経緯をたどって現在『国立東京近代美術館』に収蔵されているという。

 この秋には、小栗康平監督の10年振りの映画『FOUJITA(フジタ)』が上映されるらしい。近代美術館にこの絵を見て、映画鑑賞するのが今から楽しみだ。
 

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 笹本稜平は様々な小説を書いている。山岳小説、警察小説、冒険小説と様々まジャンルだ。私が彼の小説で好きなのは、山岳小説だ。よく考えてみると、今年の1月から笹本の小説を取り上げるのは、今回で4回目だ。それほど、彼の小説はインパクトが強い。

 本書も550頁と大作だったが、あまりの面白さにあっという間に読んだ。この小説は、今までの笹本の傾向とは違い、沈没船のトレジャーハンティングの話だった。

 世界の海には、大変な財宝を乗せたたくさんの船が沈んでいるという。その財宝を引き上げるにはものすごいお金がかかるが、いったん引き揚げたら大金持ちになる、という一攫千金を目指した商売があるようだ。

 この小説も、小笠原から1600㎞ほど離れた浅瀬に、江戸時代のスペインの船が沈んでいるという設定だ。この船長が日本人だった。船長の子孫が海洋学者で、この船を引き上げようと画策していた。彼は商売のためにではなく、純粋に学問のためだった。

 一方でアメリカのトレジャーハンティング会社が、この財宝に目を付けていた。日本、アメリカ、スペインを含めての国際的な動きがあった。本当の話かどうかは知らないが、面白く読めた。

 そういえば、最近【戦艦武蔵】をアメリカの会社が発見したとニュースになった。海底を調査して一攫千金を狙う、そういう会社があるのかもしれない。

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