№2762 西表島の手業・藁細工
この日の午後の指令は、【自然の素材の特性を知り尽くした先人たちの知恵と業に触れよう】と題して、Itaniさんの奥さんの指導の下、藁細工作りだ。どうやら、藁で箒を作るということらしい。
まずは、Itani家のウッドデッキで藁から箒の材料になる穂を取り出す作業だ。最初、説明を聞いただけでは要領を得なかったが、隣の方のやり方を見ていてわかった。ようするに、藁の節を鋏で切ると、穂がするすると抜けるのだ。
少なくとも、この穂は100本以上必要だ。皆さん、一生懸命穂を抜く作業に精を出していた。私には、このような細かな仕事は苦手だ。それでも、皆さん熱心にやっているので、さぼるわけにはいかない。
庭に何やら赤いくちばしの鳥が、われわれの作業を覗いている。一体何の鳥だろうか聞いてみたら、アカショウビンだという。アカショウビンは図鑑では見たことがあるが、実際に目にするのは初めてだ。ワ~~、大感激だ。
鳴き声は、まるでトンビのようにヒョルルル~~とだんだん下がっていく。隣の家の枯木に巣をかけているとのことだ。そしたら、われわれが作業をしているウッドデッキに幼鳥が迷って飛び込んできた。巣立ちがまだの鳥のようだ。
アカショウビンのお母さんだろうか、心配そうに幼鳥の行方を見ていた。しばらくウッドデッキにいた幼鳥も、そのうちに飛び立って行った。幼鳥に居座られた人の、驚く顔といったらなかったね。
Itaniさんに言わせると、「こんなことは今までになかった。まさに一大珍事だ」とのことだ。
しばらく、アカショウビンの巣を出たり入ったりする姿を見ながら、藁からの穂抜き作業をした。皆さん、何とかかとか120本の穂を揃えたようだ。この作業はまだ前段だ。
宿泊施設に移動して、いよいよ箒作りだ。私にはまったく向いていない仕事で、危うい手作業だ。その都度、先生に教えを乞うた。
わが級長はどうなっているのだろうか、後ろのほうでおとなしく声も出していない。黙々と作業をやっている姿は目にしていたのだが、まあ、順調にやっているのだろう。
この作業を一時間近くもやっただろうか、ようやく箒の形になってきた。最後に、キチンと締めて成型すると出来上がりだ。私の作品を見ていただこう。
この際だ、皆さんの出来上がり作品も記念に写しておこうよ。おや、一つだけ未完成作品があるね。一体誰のだろうか。黙々とやっていた割には、完成にこぎつけなかった人のものらしい。
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