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2015年9月 9日 (水)

№2815 8月に読んだ本

 最近、読書日誌の項では、言い訳ばかりしているような気がする。7月は西表島旅行で、思うような読書が出来なかったし、8月は八ヶ岳合宿で、これも苦しい月だった。一日200頁読了を目標にしていると、一日の穴は大きい。結局は、月末に辻褄合わせで、何とか目標をこなす羽目に陥る。

 それでも、8月は収穫が多かったように思う。以前から読もうと思っていた大作を読み終えることが出来たし、作文ための資料も読み終えることが出来た。8月に読んだ本は14冊・5279頁だった。結果としては、まあまあだったのではないか。

 それでは、何を読んだのかを報告し、印象に残った3冊ほどの感想を書いてみたい。

宮本昌孝『海王(上)(下)』 徳間書店 2009.1月刊

高嶋哲夫『乱神』 幻冬舎 2009.12月刊

山本兼一『ええもんひとつ』 文藝春秋 2010.6月刊

池澤夏樹『アトミック・ボックス』 毎日新聞社 2014.2月刊

篠田節子『砂漠の船』 双葉社 2004.10月刊

堂場瞬一『グレイ』 集英社 2014.4月刊

藤田宜永『帰り来ぬ青春 探偵・竹花』 双葉社 2015.1月刊

植松三十里『女たちの江戸開城』 双葉社 2006.9月刊

新藤冬樹『引き出しの中のラブレター』 河出書房新社 2009年9月刊

谷甲州『星を創る者たち』 河出書房新社 2015年8月刊

渡邉紘『山頭火百景』 春陽堂 2014年12月刊

大山澄太『俳人山頭火の生涯』 弥生書房 1985.1月刊

高杉良『勁草の人 戦後日本を築いた経済人』 文藝春秋 2014.7月刊

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 大作を読むとなると、大きな決意がいる。特に二段組みの本には、尻ごみをしてしまうことが多い。本書は二段組みで、上下合わせて1056頁の大作だ。ただ、以前から読書意欲の旺盛な時に、必ず読もうと思っていた。

 二段組みの本は、1頁当たり一段組みに比べておよそ1.5倍の活字が詰まっている。それだけの読むのに難儀する。毎月の読了目標頁数があると、これがネックになるので、二段組みの本は敬遠することが多い。しかし、読もう。

Photo 宮本昌孝の歴史小説は大好きで、結構読んでいる。私の【読書ノート】を紐解いてみると、最初に宮本昌孝を読んだのは1996年とあるから、もう20年も前にもなる。その時に読んだ本が『剣豪将軍義輝』(徳間書店)である。

 著者は、歴史的には無名な足利義輝に対する思い入れが強い。彼の様々な作品に出てくるのだが、それが本当なのかどうかは分からない。他の歴史小説家で、足利義輝が登場することはほとんどないからだ。本書『海王』は、足利義輝の流れを汲む遺児の話だ。

 なかなか、海王は魅力的な人物に描かれている。中国の海賊に育てられ、伊藤一刀斎や柳生石舟斎等に剣の道を学び、恐ろしい敵・小野善鬼との闘いなど、これだけ読んでも面白かった。

 ただ、思わぬ出会いもあった。剣の道を直接学んだ上杉兵庫が異母兄という設定だ。これも突然の話で、諸説には少し無理があるかなと思いながら読んだ。信長、秀吉、家康が出てくる安土桃山時代は、歴史小説の宝庫と、再度感じた次第である。

 この小説は、また、甲子園の行き帰りに読んだという意味でも、忘れられない一冊であった。

Dsc05770 私は池澤夏樹の大ファンである。本棚に彼の未読の小説があると、イの一番に読むことにしている。どういうのかな、彼の小説は私の歩調に合う。ほとんどの小説は、読むと同時にその内容を忘れてしまうが、池澤と沢木耕太郎の小説は、いつまでも脳裏に残るから不思議だ。

 調べてみると、池澤夏樹の本は、記録にある限り16冊ほど読んでいる。中でも、私が好きな本は『静かな大地』と『カデナ』だ。

 主人公宮本美汐は、国立大学の社会学講師である。ところがひょんなことから父親殺しの嫌疑がかかり、警察に追われることになった。なぜ追われているのか、本人にも分からなかった。これには、恐ろしい国家の陰謀が隠されていた。

 父親は、日本独自の原爆開発計画に関わっていた。そのことをすべて忘れるという約束で、瀬戸内海の小さな島で生涯を閉じた。ただ、身の安全を図るために、密かに原爆計画の全容を収めたCDを隠し持っていた。

 父の死で、その秘密のCDが娘の美汐に渡ったのではないか、と疑われたのだ。逃げ回るうちに、自分が何で追われているのか段々わかるようになってきた。結構、スリルとサスペンスに富んだ小説だった。

 果たして、日本には原爆開発計画などあったのだろうか。どうも、この小説を読んで、無いとは言い切れないと思った。

Dsc06044 私は高杉良も大好きな作家で、ほとんど読んでいるのではないかな。彼のジャンルは、主に経済小説と呼ばれる。よく題材を研究しているなと、彼の小説を読んでいつも感心している。

 『勁草の人 戦後日本を築いた財界人』は、中山素平の話だ。中山は日本興行銀行人事部長として終戦を迎え、その後亡くなるまでの60年間、財界中枢で活躍した。「財界の鞍馬天狗」といわれた彼の半生記だ。

 この小説を読んで知ったのだが、中山素平は山一証券に対する日銀特融を引き出し、新日鉄の誕生にも一役買った。石油ショックでの資源外交、国鉄民営化など戦後のエポックメーキングの陰には中山がいた。ディズニーランドの建設にも一役買っていたとは知らなかった。

 面白かったのは、田中角栄と肝胆相照らす仲だった。ロッキード事件では田中を支持し、国鉄分割民営化は田中の反対を押し切った。

 基本的に、本書は中山素平に同情的に書かれていた。戦後、日本興行銀行の果たした役割も、本書で知った。非常に面白かった。

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コメント

Shinさん
台風来襲の渦中、姉四人と福岡詣を実現し、親戚のオジさんの卒寿の宴も総勢九人で重陽の節句に無事開催出来ました。
これも貴殿の兄弟仲良くの姿勢に感化され、全員健在メッケモノの気合いで実現しました。まず以て感謝申し上げます。
さて、財界の鞍馬天狗、高杉良だけでなく、多少左翼的かつ斜に構えた佐高信からも高評価を得てます。Masaakiさんとの飲み会でも話題に揚がった、桜田武、石田禮介の両氏と共に叙勲を辞退した人として~

投稿: アスペル山ちゃん | 2015年9月 9日 (水) 午後 11時08分

アスペル山ちゃん
待望の九州のお墓参りが出来て良かったですね。
オジサンの卒寿のお祝いまでしてきたのですね。
九州はどこなんでしょうか。
お姉さん4人と一緒じゃ
相当賑やかだったろうと想像します。
戦後は偉い財界人が結構多かったですね。
土光敏夫など、その代表選手でしょうか。

投稿: シンさん | 2015年9月10日 (木) 午前 09時38分

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