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2015年10月10日 (土)

№2846 9月に読んだ本

 最近、スケジュール表を眺めると、空白の日にちが多くなっている。空白の原因は、あまり外に出て人と積極的に関わらなくなったこともあるかもしれない。だんだんこうやって年を取って行くのかな、という感慨が湧く。

 空白の時間は何をやっているのか。私の場合は、ほとんど本を読んでいることが多い。本を読んでいると、ブログネタにならない。最近は、何の記事を書こうかと悩む日も多くなった。まあ、それでもなんとかかんとか毎日ブログを続けている。

 空白の時間の読書は進む。9月はどんどん本を読んだ。こんなに進んでいいのかと思うぐらいだった。結果は、15冊・5919頁の本を読了した。読了水準としては、今年の中でも一番高かった月だ。面白い本に出会ったことも、推進力をあげた要因だ。

 それでは何を読んだのか、具体的な書名を列記し、3~4点の感想を述べたい。

鳴海章『謀略航路』 講談社 2014/3月刊

笹本稜平『未踏峰』 祥伝社 2009/11月刊

横山秀夫『震度0』 朝日新聞社 2005/7月刊

熊谷達也『潮の音、空の青、海の詩』 NHK出版 2015/7月刊

高嶋哲夫『ライジング・ロード』 PHP出版 2013/3月刊

今野敏『同期』 講談社 2009/7月刊

植松三十里『達成の人』 中央公論新社 2009/12月刊

安部龍太郎『浄土の帝』 角川書店 2005/7月刊

堂場瞬一『ヒート』 実業之日本社 2011/11月刊

笹本稜平『サハラ』 徳間書店 2008/4月刊

火坂雅志『天地人(上)(下)』 NHK出版 2006/9月刊

白川道『漂えど沈ます』 幻冬舎 2013/12月刊

小池真理子『モンローが死んだ日』 毎日新聞出版 2015/6月刊

笹本稜平『所轄魂』 2012/1月刊

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 このところ、笹本稜平を集中的に読んでいる。9月も3冊の本を読んだ。笹本稜平は、3つのテーマで小説を書いている。一つは山岳小説だし、他は冒険小説と警察小説だ。私は、好んで山岳小説を読んでいる。

 『未踏峰』は、山岳小説というよりも青春小説だったかな。人生に挫折した3人が、北八ヶ岳の山小屋「ビンティ・ヒュッテ」で働いていた。山小屋の主人・蒔本康平も、一種人生に挫折した人だった。その蒔本は、世界に名を馳せた登山家でもあったが、今は山をやめている。

 蒔本は、小屋に働く3人の若者に、いずれヒマラヤの未踏峰を目指そうと提案していた。若者はそれに希望を見いだしていたが、不幸なことに山小屋の火事があり、蒔本は焼死してしまった。残された3人は、失意の中にも、蒔本と約束したヒマラヤを目指そうと決意した。

2015_0914_164530dsc06162 今月は、笹本稜平の本は、他にも冒険小説『ヒート』と警察小説『所轄魂』を読んでいる。笹本の本は、全部読み終わるまで止まらない。

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 私は女流小説家が好きで、林真理子以外はよく読んでいる。小池真理子もその一人だ。彼女の小説はほとんど読んだかな。今では、彼女の新刊が出るのが待ち遠しい。『モンローが死んだ日』もこの6月に出版されたから、新刊の部類だ。

 なぜ小池真理子かというと、彼女に恋愛小説を書かせたら天下一品だ。こう見えても、私は意外と恋愛小説のファンでもある。『モンローが死んだ日』も一種の恋愛小説だった。

 軽井沢の隣町に住むヒロインの鏡子は、2年ほど前から抑鬱状態になり、地元に良い精神科医がいると聞きつけ、通い始めた。薬を処方され、劇的に良くなった。その精神科医は、横浜から週一回の通いでこの小さな診療所に来ている。

 ある日、鏡子の勤める記念館にその医者はふらりと顔を出した。そこから同棲生活に至るまでは、そんなに時間を要しなかった。その医者が、ある日を境にぷつりと姿を消した。理由はわからない。思い余って、横浜の病院に行ってみたが、該当する医者はいなかった。

 この医者は、誰だったのだろうか。ここからが物語の核心だった。この小説の終わり方にもホッとするものがあった。

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 火坂雅志は、私が最近見いだした歴史小説家だ。私はよく知らないが、『天地人』は何年か前にNHKの大河ドラマになったのかな。この小説を読んで、大河ドラマを見なかったのを悔んだ。

 テーマは、戦国時代の越後・上杉家の話だ。上杉家は、上杉謙信があまりにも有名だ。この小説の主人公直江兼続は、幼少より上杉謙信の姿を見て育った。謙信の死後、息子の上杉景勝が後を継いだ。直江兼続は、家老として景勝を支えた。

 支えたというより、藩運営の全権を兼続に任せた。時代は、織田信長が本能寺の変で倒れ、秀吉の時代に移っていた。兼続が親交を深めたのは石田三成である。秀吉の死後、関ヶ原の戦いが始まり、上杉は西軍とみなされた。徳川の矢面に立って、会津に立てこもった上杉軍だが、戦が始まったのは関ヶ原である。

 関ヶ原の戦いは、徳川の勝利に終わった。直江の闘いはここから始まる。上杉家をどう存続させるのか、政治力が試された。会津120万石がそっくりというわけにはいかなかったが、米沢30万石が残された。

 上杉家がテーマという話が面白かった。これを読み、上杉鷹山について知りたいと思った。

2015_0914_164614dsc06165 もう一冊紹介したいのは、白川道の『漂えど沈まず 新・病葉流れて』という小説だ。白川道の話しは、一種の無頼小説だ。彼の小説を読んでいると、阿佐田哲也を思い出す。

 彼の小説は、ほぼ自伝小説のようだが、ハチャメチャで面白い。ギャンブル狂のようで、小説に出てくるのは麻雀と競輪だ。麻雀も、一晩何百万も賭ける高額麻雀である。一晩で何百万勝っても負けても動じない主人公は、まだ26歳だ。

 私は白川の小説もほぼ読みつくしたが、惜しいかな、彼はこの4月に69歳で亡くなってしまった。大動脈瘤破裂だったそうだ。好きな作家が、どんどんいなくなるのは残念だ。

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