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2015年11月 7日 (土)

№2874 10月に読んだ本

 毎月、月初に前月読んだ本の報告をし、その中から印象に残った2~3冊の本の感想を述べている。このブログ記事【読書日誌】はすっかり定番になったが、この記事が読まれているかどうかの自信はない。

 読書行為は、すっかり私の生活の基軸に根をおろしている。最近では、人と会っておしゃべりしたりお酒を飲んだりするよりも、じっくり本を読んでいる方が気が休まるのは事実だ。それにしても、読んでも読んでも、読む本が多いものだ。むしろ、読めば読むほど興味が広がっていく、というべきか。

 読むペースも定着している。大体が月5000ページ以上、13~4冊の本を読んでいる。今年の1月から10月までの平均は、13.4冊・5323頁である。そして10月は、13冊・5059頁だったから標準の読了頁数だ。ただ、私の読書は飛ばし読みなので、読み終わった後内容を聞かれると困る。

 それでは、10月に読んだ本を紹介し、2~3冊の感想を述べたい。

遠藤周作『王の挽歌』 講談社 1996年7月刊

童門冬二『小説上杉鷹山(上)(下)』 学陽書房 1983年6月刊

火坂雅志『真田三代(上)(下)』 NHK出版 2011年10月刊

梁石日『死は炎のごとく』 毎日新聞社 2001年1月刊

白川道『そして奔流へ』 幻冬舎 2014年7月刊

高嶋哲夫『ぺトロバクテリアを追え!』 宝島社 2001年5月刊

笹本稜平『挑発』 双葉社 2010年2月刊

笹本稜平『破断』 双葉社 2011年11月刊

麻生幾『外事警察』 NHK出版 2011年11月刊

江上剛『渇水都市』 幻冬舎 2009年9月刊

大澤在昌『鮫島の貌』 光文社 2012年1月刊

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 私は歴史小説が大好き、としばしば述べている。その中心は戦国時代の織田信長、豊臣秀吉だ。ただ、先月読んだ『天地人』で上杉に興味を持った。というよりも、直江兼次に興味を持ったという方が正確である。

 その延長線で、以前から課題であった上杉鷹山を読もうと思った。アメリカ大統領ケネディが、ある日本記者に日本人で一番尊敬する人物を聞かれ、「ウエスギヨウザン」と答えたが、記者はその人物を知らなかった、という有名なエピソードが残っている。

 上杉家は、徳川の政策で会津120万石から米沢30万石に移封され、米沢に移った。その時、会津の家来全員を引き連れていったので、借金まみれになり、財政難に陥った。さらに、旧制度に縛られ、身動きが取れなかった。

 そこに現れたのが上杉治憲(後の鷹山)である。治憲は養子で他藩から移ってきた人であった。改革するのにも、養子という制約が重くのしかかった。さらに、重臣は頑固で、古い制度を改めようとはしない。例えば、当時、参勤交代には莫大な費用がかかった。金がないのにこんな大仰なことはやめようと思ったが、それ一つ取っても改革は大変だ。

 若い人を登用し、旧重臣には引退していただいた。その登用した若き官僚にも腐敗のうわさが立つ。いずれ、財政再建の壁の大きさに、鷹山はしばしば立ち往生した。しかし改革は成し遂げ、財政再建の道筋を追っていく小説だった。

 誰にでも門戸を開く【興譲館】という学校を開き、きわめて開明的な人物であった。日本の現在の借金まみれを解決するのには、きわめて有効なテキストだと思う。

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 私は梁石日(ヤンソギル)の小説が好きで、よく読んでいる。彼は、在日朝鮮人の苦しさを伝え、私はそのことに目覚める。ちなみに、過去梁石日の小説を何冊読んだか検索してみた。検索の結果は22冊と出た。梁石日をよく読んだのは1999年だ。『血と骨』の衝撃を受けてだ。検索の結果分かったのだが、本書『死は炎のごとく』は2001年1月にすでに読んでいた。検索するまでは既読と分からなかったのは情けない。

 この小説の題材は、1974年、在日朝鮮人の文世光が時の韓国大統領朴正煕(現韓国大統領朴槿恵)の暗殺を企て、大統領ではなく、その奥さんを殺害したテロ事件にある。文世光もその場で殺されてしまった。

 この事件の端緒となったのが、1973年8月の金大中拉致事件である。東京・九段下にあるグランドホテルの一室から、金大中が韓国KBCに拉致され、船で韓国に連れ去られるという事件があった。KBCは船の上で金大中を殺害しようと目論んだが、アメリカの強力な介入があり、殺されずに韓国の自宅に運び込まれた。

 この事件に絶望していたのが、大阪に住む在日の若者たちであった。北朝鮮と南朝鮮の合併の話が進む中、朴正煕の強権政治はますます激しいものになっていった。南北朝鮮の合併に夢を託した若者たちは、朴の政治に絶望し、過激化していった。

 そして、この小説の主人公宋義哲は、日本の交番でピストルを奪い、そのピストルでの暗殺を企てた。暗殺そのものよりも、大阪で議論する若者たちの、先行きに対する不安が良く分かった。ああいう時代もあったのだ。

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 最近よく読む作家に高嶋哲夫がいる。彼の眼をつける視点が面白い。毎月の【読書日誌】にも彼を取り上げているのは、内容が示唆に富んでいて面白いからだ。

 今回の小説は、日本の科学者山之内が、石油生成のバクテリアの培養に成功したことから始まる。このバクテリア(ここではペトロバクという)が培養されると、簡単に石油を作りだすことが出来るという。

 このニュースが伝わると、原油価格が大幅に下落した。石油に頼るアラブ諸国は、山之内のテロとバクテリアの奪取を企てる。一方、アメリカはこのバクテリアを自国のものにしようと目論む。国際政治・テロ合戦に発展した。

 本当にこんなバクテリアが発見されたら、世の中は変わってしまうだろうと想像しながら、楽しく読んだ。

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