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2016年9月 3日 (土)

№3175 富士宝永山トレッキング

 東京シニア自然大学事務局のKanakuboさんから「富士宝永山に行きませんか」とのお誘いがあった。このお誘いは、東京シニア自然大学の正式講座ではなく、オプションフィールド学習だという。講師に、東京学芸大学名誉教授小泉武栄先生が同行するということだ。

 実は3年前、東京シニア自然大学の講座で小泉先生の授業を受講し、ぜひ一度宝永山に登ってみたいと思っていた。私はすぐにも申し込んだ。申込者は意外と多く、33名の参加者がいた。中央線国立駅からバスで出発した。

Img_0583  途中、足柄サービスエリアから、雲に隠れた富士山が見えた。あの山の中腹目指していくのだと思うと、楽しみが倍増した。サービスエリアから目的の富士山五合目登山口までは、バスで一時間ちょっとだった。

Img_0585  午前11時過ぎに富士宮五合目口に到着した。平日にもかかわらず、大勢の登山客でにぎわっていた。標高2400mあったが、14~5度か、寒くも暑くもないちょうどいい気温だ。皆さん、ここでトイレなどを済ませ、いよいよ出発だ。

Img_0587  登り始めたら、登る人と下る登山客で、登山道はすごい混雑だった。あらためて、富士山の人気に驚いた。下ってくる人の話し声には中国語も聞こえてきた。富士山は日本人だけではなく、外国人にも人気のある山なのだ。この混雑は、六合目の雲海荘まで続いた。われわれは富士登山道と別れ、宝永山に向かった。

Img_0590  早速、小泉先生の講義が始まった。

 そのお話によると、富士山は意外と5000年くらいの新しい山で、高山植物はないのだそうだ。斜面に生えている樹はハイマツではなく、カラマツだという。富士山が最後に爆発したのは2200年前だそうだ。十分に古いように感じるのだが、地球史にとって1万年はあっという間だと話していた。

 小泉先生は地質学と植物学の両方の権威だが、地質も植物もという学者は少ないのだそうだ。

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Img_0596  富士山の爆発の名残という岩を丁寧に説明してくれた。この岩は噴火口が走った後だという。その脇にはスコリアの岩の粒がたくさん散見された。白い岩は溶岩の塊であり、赤い粒粒の石は噴火で飛び散ったものだという。

 スコリアの赤は鉄分が多く、酸化したのだそうだ。まるで軽石のように軽かった。それに比し、玄武岩はずしりと重かった。

 

Img_0597Img_0591 登山道には高山植物はなかったが、あちこちで見られたのがイタドリとオンタデだ。

 先生、お腹が空いたので昼食にしましょうよ、と声をかけた。もうすでに12時半近くだった。それぞれが登山道の脇に腰を掛け、弁当を広げた。目の前には、広大な富士山の裾野が見えた。

 この日は2500~2600m付近を歩いたのだが、ほとんど登ったという実感はなかった。裾野を巻いてトレッキングをした程度だった。提案者のKanakuboさんは、「山登りの嫌いな私が、登山の提案をするわけないじゃないの」と言っていた。ちなみに、彼女は【海女】なのだそうだ。

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Img_0615  昼食が終わり、いよいよ目的の宝永山見学だ。昼食地から歩いて、ものの5分ほどの距離だった。素晴らしい光景だった。

 宝永山は、江戸中期1707年に大噴火をし、江戸の町に5㎝ほどの灰が降ったのだそうだ。火口は3つというが、われわれが見たのは2つだった。

 小泉先生は、この火口付近の植生について、熱心に説明してくれた。

 

Img_0613Img_0614  この近くで見た植物は、フジアザミとホタルブクロだ。この火口付近では、植物の密生した場所と、ばらばらにしか生育していない場所があった。先生の講義のポイントは、なぜ密生と疎生が起こっているのかという点だ。

 こういう点にポイントを絞って研究している学者はほとんどいないのだそうだ。われわれ素人にも分かるような丁寧な解説だった。

Img_0618

 さて、森林を通って帰ろう。森林に足を踏み入れた途端、雷のような大きな音がした。こんな天気なのに雷が鳴るのかな、と不思議に思った。列の一番後ろにいたKanakuboさんが、「あの音は、岩の大規模崩落した音よ」と言っていた。その写真も見せてくれた。

 なんと、ちょっと前に火口で植生を観察した付近で、大崩落が起こったようなのだ。ほんの20分ほどの違いで事故を免れた。小泉先生もホッとしていたようだ。

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