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2016年10月 7日 (金)

№3209 9月に読んだ本

 毎月一回載せる読書日誌の記事だが、このブログの読者には面白くもなんともない記事かもしれない。しかし、私にとって【読書】は今の生活の主要な活動である。そして、月一回のこの記事を書くために本を読んでいるといっても過言ではない。我慢して付き合ったほしい。

 とにもかくにも、月最低5000頁を読もうと頑張っている。読むことを急ぐあまり次々と読み飛ばし、読んだ内容を思い出すのはやや疎かになっている。読んだことに自己満足しているようなものだ。まあ、あまり意味がないような読書だが、それでも私の生活の重要な一端であることは確かだ。

 さて、9月も何とか目標は達成できた。9月は、13冊・5,526頁の本を読了した。例月の如く、何を読んだのかを以下に列記してみる。その上で、2~3の本の感想を述べたい。

加藤廣『水軍遙かなり』 文芸春秋 2014年2月刊

柴田哲孝『国境の雪』 角川書店 2013年1月刊

伊東潤『峠越え』 講談社 2014年1月刊

帚木蓬生『悲素』 新潮社 2015年7月刊

内村幹子『左遷鷗外』 新人物往来社 2002年3月刊

火坂雅志『気骨稜々なり』 小学館 2013年10月刊

佐藤雅美『知の巨人 荻生徂徠』 角川書店 2014年4月刊

海道龍一朗『百年の亡国』 実業之日本社 2006年9月刊

香能諒一『冬の砦』 祥伝社 2006年7月刊

貫井徳郎『私に似た人』 朝日新聞出版 2014年4月刊

楡周平『陪審法廷』 講談社 2007年3月刊

高嶋哲夫『浮遊』 河出書房新社 2016年3月刊

熊井明子『シェイクスピアの妻』 春秋社 2003年9月刊

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 好きな作家をあげろといわれると、まず第一にあがるのが帚木蓬生であろう。彼は異色な作家で、サラリーマンを辞めて九州大学の医学部に入り直した医者である。彼の小説には、ほぼ医学の知見が出てくる。私はそれを楽しんで読んでいる。

 今回のテーマは、1998年和歌山で起きたヒ素入りカレー事件である。九州で医学部教授をやっている主人公の沢井に、和歌山県警から鑑定依頼が来た。当時、ヒ素鑑定ができる医者は沢井以外いなかったのだ。

 沢井には、松本でおきたサリン事件についても鑑定したし、阿賀野川のいたいいたい事件の鑑定もした。

 和歌山のヒ素事件の鑑定も難航した。沢井はチームを組んで、心電図読みの名人、レントゲン読影で右に出るもののない一員、データや傾向をまとめる人と多彩だった。もちろん、中心には沢井が立っている。それにしても、鑑定人になるのは大変なことだ。

 ただ単に鑑定していればいいというわけではない。そのあとに続く裁判に証人として出廷する必要もあるし、検事尋問のために九州から和歌山にたびたび通った。非常に緻密に論を進める小説だった。

 和歌山カレー事件で死刑になった林眞須美は、いまなお無罪を主張して、裁判の無効を訴えているという。

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 佐藤雅美は難解な作家だ。彼がよく取り上げる舞台は、フランス中世の歴史小説だ。 何冊か読んだが遅々として進まず、今は敬して遠ざけている。ただ、今回はタイトルにひかれて挑戦してみた。

 荻生徂徠の父は医者だったが、徳川綱吉の怒りに触れ一家は江戸を追われた。徂徠は上総の国で育ったが、彼の周りには読むべき本はほとんど読了し、読むべき本がなかった。学問で身を立てようと江戸に出て、柳沢吉保に取りたてられた。

 佐藤雅美は、ライフワーク通して荻生徂徠に取り組んでいるのだそうだ。ただ、漢文で書かれたその著書を読むのは簡単なことではない。相当てこずったようだが、この本を書こうと決めたら、難解な著書をスラスラ読めるようになったという。

 私には、江戸漢文・漢詩を読むような力はないな。

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 だいたい私が読む作家は、ほとんどが今まで何度か読んでいる馴染みである。その結果、読む本を狭めていることは否めない。たまには全然知らない作家の本も読みたい。ということで今月手に取ったのが内村幹子、香能諒一、熊井明子の三人である。

 今月取り上げる熊井明子は、もちろん初めて読む作家である。シェイクスピアをろくに読んでもいないのに、なぜシェイクスピアの妻に興味を持ったのか。この著書をきっかけにシェイクスピアに接近してみたいと思った。

 熊井明子はシェイクスピア研究者なのだろうか、今までも何冊か関連書を出しているようだ。シェイクスピアは手袋屋の息子だった。ロンドン郊外の田舎でお父さんがやっている商売の手伝いをしていたようだ。ただ、彼は文学で世に出ることを夢に見て、ほとんど商売には身が入らなかった。

 8歳年上の女性と結婚し、その妻に勧められてロンドンに出た。ロンドンで劇作家として大成功し、ほとんど田舎を顧みることがなかった。

 ただ、晩年は妻のもとに帰り、田舎で著作に励んだようだ。まあ、どうってことにない話だったが、それなりに面白かった。

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