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2016年11月 9日 (水)

№3242 10月に読んだ本

 毎月、月初には前月に読んだ本を列記し、2~3点の感想文を書いている。今年も残すところ2ヶ月になり、大詰めの読書が必要な月となった。今のところ、例年並みの読書が出来ているのはうれしい。

 それにしても、読書を続けるには習慣が必要だ、とつくづく思う。いま思い出すと、サラリーマン時代にせっせと本を買っていた同僚がいた。どうするのか聞いてみたら、「定年退職したら読むんだ」と言っていた。その彼は、普段はアルコール漬けだったので、退職後、果たして買った本を読んでいるものなのかどうかは知らない。

 幸い、私は定年から10年、うまく【読書】が習慣化した。というよりも、周りに読むべき本がないと落ち着かない。いまも暇にあかせては一生懸命本を読んでいる。【読書時間】が至福と考えているから、良い習慣を持てたのはうれしい。10月も例月と同じようなもので、15冊・5,541頁の本を読んだ。読んだ本を列記したい。

火坂雅志『虎の城(上)(下)』 祥伝社 2006年9月刊

黒川博行『煙霧』 文藝春秋 2009年1月刊

童門冬二『小説 項羽と劉邦』 日本実業出版 2003年4月刊

伊東潤『黎明に起つ』 NHK出版 2013年10月刊

宇佐江真理『夕映え』 角川春樹事務所 2007年10月刊

熊谷敬太郎『悲しみのマリア(上)(下)』 NHK出版 2014年2月刊

高樹のぶ子『満水子(上)(下)』 講談社 2001年10月刊

熊谷達也『希望の海』 集英社 2016年3月刊

白川道『神様が降りてくる』 新潮社 2015年3月刊

澤田ふじ子『天皇の刺客』 徳間書店2013年4月刊

塩田武士『盤上に散る』 講談社 2014年3月刊

熊谷敬太郎『華舫』 NHK出版 2014年10月刊

 最近、私の好きな作家の本はほとんど読んでしまった。新しい作家を探さなければと焦っている。今月読んだ新しい作家は、宇佐江真理、熊谷敬太郎、高樹のぶ子、澤田ふじ子等である。期待通りの人もいれば、期待を裏切る結果もあった。

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 その中で有望だと思ったのが、熊谷敬太郎だ。本書は上・下合わせて600頁弱の本だったが、2日間で読み上げてしまった。一年間で160冊以上の本を読んでいるが、夜も寝ないで読む本というのにはめったに出会わない。そのめったに出会わない一冊だった。

 マリアという方は実在の人物である。ロシア革命で亡命した没落貴族が日本に居ついた。この物語は、その娘マリアの生涯の話だった。知り合いがいて会津に住んでいた家族だったが、マリアは非常に優秀で会津一女を優等で卒業した。志を立てて上京し、医者の道を歩んだ。明治の末、その当時は女医というのは珍しかった時代だ。医学生時代に知り合った変わり者の男と結婚した。その男とは、物理学者で有名な武谷三男だ。

Img_1046  結婚した後も医者を続け、清瀬の結核病院の医者を勤めた。そこで知ったのだが、大きな病院がある清瀬には、町医者がほとんどいなかったのだ。清瀬での開業を思い立った。(下)では、清瀬時代の奮闘記である。こういう方もいたんだねと、改めて思い知った。

 熊谷の本があまりにも面白かったので、この月はもう一冊『華舫』も読んだ。この本にも満足した。

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 結構メジャーな方でも、読んでいない作家は多いものだ。高樹のぶ子などはその一人かもしれない。ある日新聞で、「恋愛小説の大家」として高樹を紹介していた。恋愛小説大好きな私には見逃せない。そして手に取ったのが『満水子(まみこ)』だ。

 満水子は水ばかりを描く女流画家だ。ノンフィクション作家の坂本重治は、彼女の記事を書くために取材する。そして満水子を調べれば調べるほど、後戻りできなくなった。

 満水子は天衣無縫で、その振る舞いに坂本は振り回される。プライドの高い男が、プライドをかなぐり捨てて一人の女性を追いかける。追いかければ追いかけるほど逃げていく、まるで蜃気楼のような女性だった。

 小説の舞台は、東京・京都・越後湯沢・郡上八幡・函館と目まぐるしく変わっていく。季節の移ろいも変わり、寒さ暑さが肌に感じられる程だった。女性作家が男性の目である一人の女性を追いかけていく視点に、新鮮さが感じられる小説だった。

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