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2017年5月10日 (水)

№3427 4月に読んだ本

 毎月10日前後に、前月読んだ本の報告をしている。4月に読んだ本は、あまり印象に残らなかった。読書スピードもいまいちだった。あらためて原因を考えて見みると、これはという本に出合わなかったせいだ。

 私は、読んだ本にABCランクをつけている。たいていの月は、圧倒的にAランクの本が多いのだが、4月に読んだ本はAランクが6冊、Bランクが5冊、Cランクが3冊であった。面白い本はどんどん読み進めるのだが、つまらない本だと、なかなかはかが行かない。

 特に、今月は私の好きな作家の作品がつまらなかった。4月はかろうじて目標を達成したが、それでも青息吐息でだ。結果は、14冊・5,072頁の読了だった。それでは具体的に何を読んだのか報告したい。

浅田次郎『オーマイガッ!』 毎日新聞社 2001年10月刊

伊藤丈恭『緊張をとる』 芸術新聞社 2015年8月刊

出久根達郎『かわうその祭り』 朝日新聞社 2005年3月刊

佐々木譲『廃墟に乞う』 文藝春秋 2009年7月刊

藤田宜永『亡者たちの切り札』 祥伝社 2016年5月刊

火坂雅志『業政駆ける』 角川学芸出版 2010年9月刊

村山由佳『ラヴィアンローズ』 集英社 2016年7月刊

諸田玲子『氷葬』 文藝春秋 2001年10月刊

恩田陸『ネバーランド』 集英社文庫 2003年5月刊

岩田三四二『天下を計る』 PHP研究所 2016年9月刊

伊東潤『天下人の茶』 文藝春秋 2015年12月刊

荒山徹『白村江』 PHP研究所

池澤夏樹『AATOMIC BOX』 毎日新聞社 2014年2月刊

工藤美代子『恋づくし 宇野千代伝』 中央公論新社 2015年3月刊

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 4月は印象の薄い本が多かった中で、荒山徹『白村江』だけは面白かった。白村江といえば、日本が百済を助けて戦った朝鮮での戦争を思い浮かべる。ただ、古代の話だけに分かっていないことが多い。そこに歴史小説の創作ができる余地が生まれる。

 この小説は、とんでもないミステリー仕立てになっていた。当時、朝鮮半島は百済、新羅、高句麗の三国鼎立の時代だ。日本は天智天皇が蘇我入鹿を倒し、権力を手中に収めつつあった。

 私は、てっきり大和朝廷が百済と手を握り、新羅、高句麗と対峙する構図を思い浮かべていた。百済の豊璋王子が、日本に亡命していた。豊璋王子は、蘇我入鹿の監視下にあった。その入鹿を倒した葛城皇子(のちの天智天皇)は、豊璋王子を取引材料としてしか見ていなかった。そこにこの物語の新味があった。

 つまらないミステリーを読んでいるよりも、歴史小説ミステリーの方がよほど面白かった。

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 もう一冊挙げるとしたら、工藤美代子『恋づくし 宇野千代伝』だ。工藤美代子は、近代日本史を語る定評のある作家だ。私はよく手に取る作家の一人だ。今までどういう本を読んだか検索してみたら、『快楽』『良寛の恋』『われ巣鴨に出頭せず』『昭和維新の朝』『悪名の棺笹川良一伝』などを読んでいた。

 この本を読んでの読後感だが、いま宇野千代などを読む読者はいるのだろうか。宇野千代は明治30年に生まれ、昭和初期から戦後まで幅広く活躍した流行作家である。ただ、私は読んだことはない。

 本書を読んで、宇野千代の男遍歴のすごさに『当時の飛んでいる女』を感じさせた。彼女は結婚して北海道に住んでいたのに、夫のもとに帰らず尾崎士郎と同棲した。その後、東郷青児、梶井基次郎、北原武夫と次々と乗り換えていく。

 男とのとんでもない目にあい、大金をつぎ込んでは男に逃げられ、家を乗っ取られた。それでも小説を書くと、大金が懐に入ってくる。良い時代の流行作家だった。

 「私は死なないかもしれない」という有名な言葉を残しているが、それでも1996年(平成8年)、98歳でこの世を去った。

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