« №3516 白河高原ゴルフの二日目 | トップページ | №3518 3年ぶりの帰郷 »

2017年8月 8日 (火)

№3517 7月に読んだ本

 最近仲間との会話で、彼は「加齢とともに、本を読むのがだんだん辛くなってきた」と交々話していた。一つは老眼で眼鏡をかけないと活字を追えないというし、あるいは本を読む根気がなくなったという人もいた。

 幸いにして、私にはそんなことはない。相変わらず活字を追う毎日が続いている。ただ、加齢を言うと、夢中になって読んだはずの本の内容をほとんど覚えていないという弱みがある。

 まあ、内容を覚えていようがいまいが、どっぷり活字に浸かる幸せがあればそれだけでいいのではないか、と自己満足合している。7月も、相変わらず本を読む日々を送った。結果は、13冊・5163頁の読書量だった。ほぼ目標達成だ。

 それでは何を読んだのか紹介し、2~3冊の本についてコメントを述べたい。

香納諒一『女警察署長』 徳間書店 2012年7月刊

堂場瞬一『解』 集英社 2012年8月刊

山田宗樹『代休』 角川書店 2016年5月刊

百田尚樹『幻庵(上)(下)』 文藝春秋 2016年12月刊

乃南アサ『水曜日の凱歌』 新潮社 2015年7月刊

黒木亮『国歌とハイエナ』 幻冬舎 2016年10月刊

香納諒一『幸』 角川春樹事務所 2013年1月刊

堂場瞬一『蛮政の秋』 集英社 2015年12月刊

藤田宜永『大雪物語』 講談社 2016年11月刊

誉田哲也『歌舞伎町セブン』 中央公論新社 2010年11月刊

白石一文『光のない海』 集英社 2015年12月刊

宮本輝『長流の畔 流転の海第八部』 新潮社 2016年6月刊

Img_3715_2

 私は百田尚樹の思想には、全く賛成できない。むしろ嫌悪している。まあ、それと小説は別だ。彼の小説はよく読んでいるね。『永遠の0』、『モンスター』、『錨を上げよ』、『海賊と呼ばれた男』等だ。

 この小説は、江戸時代、死闘を戦わせた囲碁棋士たちの話しだった。私は、今まで囲碁の小説は読んだことがない。10代初めからの天才囲碁士の話を読むと、今の将棋の15歳・藤井翔太を思わされた。

 百田の経歴を読むと、彼は自称アマチュア6段の棋力の持ち主のようだ。囲碁に相当精通していないと、この小説書けない。江戸時代の囲碁は、家と家をかけた囲碁だった。それには、天才少年棋士を探し、育てることも含まれていた。歴史小説というか、囲碁小説というか、面白かった。

Img_3714_2

 乃南アサの小説を読むと、ホッとする。彼女の小説は何冊か読んでいるが、代表作『凍える牙』は今でも鮮やかな印象に残っている。

 今回の小説は、戦争直後、敗戦で大量のアメリカ軍上陸に際し、【RAA(特殊慰安施設協会)】に従事したお母さんの姿を、娘の目で観察するというものだった。

 お母さんは、戦争で亡くなった夫の友人の宮下の愛人として、戦後のどさくさを生き抜いた。その宮下の紹介で、性を売らざるを得なかった娘と米軍の通訳の職を得た。母はその仕事を通して、米軍高官と知り合いになった。戸惑いながらも、母の生き様を娘の冷静な目は見つめ続けた。

Img_3867
 この本は、宮本輝の長編小説「流転の海」の第八部に当たる本だ。宮本輝はこのシリーズを書き始めたのが34歳で、延々35年間にわたって書き続けてきた。そして、あと一冊第九巻を残すのみになったようだ。そういう意味では、ライフワークとなった。

 主人公松坂熊吾とその妻房江、息子伸仁の奮闘の歴史だ。戦後まもなく始まった小説は、すでに昭和39年東京オリンピックの年になった。熊吾66歳、房江52歳、伸仁17歳という設定だ。

 従業員に金を持ち去られ、苦闘と戦う中古車販売業の熊吾。倒産をかろうじて逃れた熊吾に愛人ができた。そのことを知った房江は、自殺を試み、かろうじて命を長らえた。房江は離婚を決意した。

 ハラハラドキドキしながら、事態の推移を読む続けたら、私はあまりの面白さに夜眠れなくなった。さて、最終巻はどうなるものだろうか。完結したら、また最初から読んでみたい。

|

« №3516 白河高原ゴルフの二日目 | トップページ | №3518 3年ぶりの帰郷 »

読書日誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« №3516 白河高原ゴルフの二日目 | トップページ | №3518 3年ぶりの帰郷 »