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2017年9月 8日 (金)

№3548 8月に読んだ本

 私は事細かに【読書記録】をつけているが、一年を通してみるとどうしても山や谷が出来てしまう。なんでもそうなのだが、人が生きていくにはバイオリズムというものがありはしないか、と常々思っている。ゴルフをしていても強く感じる。

 8月は、まさに谷の月だったのではないか。何をやるのも嫌で、特に本を読むことが嫌だった。そこに秋田への帰郷が加わり、ほとんど読書が進まなかった。言い訳のように聞こえるかもしれないが、8月は12冊・4727頁の読了で終わった。

 毎月、少なくとも5000頁は読みたいと思っているのだが、目標は達成していない。そういう目で見ると、この4~5年で目標達成できない月は必ずあった。まあ、バイオリズムの底と思っている。これではいけないと一念発起したのが8月も25日過ぎだ。時すでに遅しだった。

 それでは、毎月のように何を読んだの列記してみたい。その上で、2~3冊の本の感想を述べる。

藤田宜永『女系の教科書』 講談社 2017年5月刊

乃南アサ『あなた』 新潮社 2003年2月刊

堂場瞬一『埋もれた牙』 講談社 2014年10月刊

桂望実『嫌な女』 光文社 2010年12月刊

藤田宜永『帰り来ぬ青春 探偵・竹花』 双葉社 2015年1月刊

高樹のぶ子『オライオン飛行』 講談社 2016年9月刊

城山三郎『男子の本懐/賢人たちの世』岩波書店 1998年10月刊

司馬遼太郎『アメリカ素描』 読売新聞社 1986年4月刊

三上洸『マリアの月』 光文社 2007年11月刊

楡周平『羅針』 文藝春秋 2012年1月刊

帚木蓬生『受難』 角川書店 2016年6月刊

辻井喬『書庫の母』 講談社 2007年10月刊

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 帚木蓬生は異色の作家だ。東大文学部を卒業してTBSに入社したが、すぐにやめて九州大学医学に再入学している。そのせいか、彼に作品には医学をテーマにしたものが多い。私は大好きな作家で、彼の作品はほとんど読んでいる。どうやら、私と同年齢らしい。

 この作品も医学モノだったが、ずいぶん変わったテーマだった。滝壺に落ちて死んでしまったという少女姜春花(カンチュンファ)をiPS細胞の再生医療で、少女のレプリカとして再生させるという話だ。

 その方法というのが、万能細胞を3Dプリンターを使ってインクジェット方式で噴射しながら、元の体と同じものを作り上げていくという方法のようだ。いくら医学が進歩してもそんなことはありえないと思いながら、小説を読み進めた。

 舞台は、韓国のセオル号沈没事故を題材としていた。この事故では、たくさんの高校生が犠牲となった。小説でも指摘していたが、韓国に内在する様々な矛盾が、この事故に集約したと著者の主張である。

 ここであらすじは述べないが、ビックリギョテンするどんでん返しが用意されていた。いつものように、夢中になって読んでしまった。

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 最近、私の好きな作家の本はほとんど読んでしまった。新たな作家を発掘しなければならない、と常々思っている。今まで聞いたこともない作家に手を出しているが、当たったり当たらなかったりで五分五分だ。

 三上洸という作家も、そういう意味では初めて手に取る作家だ。初めて読む作家は、最初に奥付でで著者の略歴を読む。三上は、私よりも20歳も年下の作家だ。それでも、もう50歳になっている。

 主人公本庄敦史は、挫折した画家だ。師匠の推薦を受け、知的障害者更生施設「ユーカリ園」でアートワークグループの講師をすることになった。その園で出会ったのが、22歳の少女河合真理亜だ。彼女は若いころ頭を打ち、後発性の精神発達障害で、言葉を発することができない。

 そういう真理亜に絵を教えているうちに、とてつもない絵の才能に出合う。その絵の才能は、直感像記憶脳=カメラアイによるものだった。彼女は一目見たものを正確に再現する能力がある。

 その能力が、自分が幼くして出合った殺人事件の現場を詳細に描くことで物語は進んでいく。ちょっと荒唐無稽な感があったが、殺人者は新左翼という設定だった。この近辺まで読み進むと、B級アクション小説という感がなくもなかった。

 まあ、面白く読めた。

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 楡周平という作家も私の大好きな作家の一人で、彼の作品は目にする限りほとんど読んでいる。スリラーでもあり、ハードボイルド、アクション作家というイメージだ。ところが、この『羅針』は今までの作品とは異なっていた。スリラーもアクションもない小説だ。

 関本源蔵という船乗りの話だった。彼は学校を卒業してから、船に乗り続けた。一等機関士だったが、大型漁船に乗ったり捕鯨船に乗ったりだった。

 物語のはじめは、10000トンの大型漁船で時化にあった話だ。サケマス船団は、独航船40隻を従え、アリューシャン列島からカムチャッカ半島までッサケマスの漁獲をしていた。その時に大時化に会い、独航船二隻、40人の犠牲者を出した。その描写たるや、時化のすさまじさを思わせた。

 猛烈な時化の航海を終えて、久し振りに宮城県の山奥にある自宅に帰った。そこには思春期の息子がいた。その息子との軋轢が修復されないまま、南氷洋の捕鯨船に乗り込んだ。

 鯨捕りは順調だったが、関本はキャッチャーボートの機関士が体を悪くして、交代した。そのキャッチャーボートが機関の故障で、厚い氷に閉ざされてしまった。

 私は船のことは知らないが、手に汗を握り、夢中で本書を読んだ。

 

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