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2018年1月 7日 (日)

№3672 12月に読んだ本

 毎月月初に書く、前月読んだ本の報告をする定期記事である。このところ、予定の無い日が続く。勢い、ベッドに寝転んで本を読んでいる。目標は1頁1分のペースで読もうと思うのだが、、1分では読み切れないことが分かった。正確に測ってみたら、60頁の分量を90分で読んでいた。

 知らず知らず一日300頁を読む日もあった。約5時間も読んでいたということだ。追われながら読むというよりも、楽しんで読めるのがいいね。一ヶ月6,000頁読了が目標だが、なかなか目標達成とまではいかない。ただ、12月は15冊・5,898頁まで読み進んだので、ほぼ目標達成した。いかに暇かという証でもあった。

 私は【読書日誌】をつけている。物忘れが激しくなったせいか、前に読んだ本を再度読む機会が多い。12月もそんな本が多かった。まあ、誰に怒られるわけではないから、良いか。それでは具体的に何を読んだのか報告し、2~3の本に感想を述べたい。

熊谷敬太郎『華舫』 NHK出版 2014年10月刊

久坂部羊『老乱』 朝日新聞出版 2016年11月刊

伊東潤『悪左府の女』 文藝春秋 2017年6月刊

東直己『鈴蘭』 角川春樹事務所 2010年6月刊

佐々木譲『犬の掟』 新潮社 2015年9月刊

坪内稔典『俳人漱石』 岩波新書 2003年5月刊

伊東潤『走狗』 祥伝社 2017年8月刊

笹本稜平『ソロ』 河出書房新社 2016年3月刊

高嶋哲夫『浮遊』 角川書店 2013年1月刊

柴田哲孝『国境の雪』 日本経済新聞出版 2010年6月刊

高樹のぶ子『甘苦上海 完結版』 集英社 2009年7月刊

北方謙三『楊令伝(10) 坡陀の章』 集英社 2009年7月刊

北方謙三『楊令伝(11) 傾暉の章』 集英社 2009年10月刊

北方謙三『楊令伝(12) 九天の章』 集英社 2010年1月刊

北方謙三『楊令伝(13) 青冥の章』 集英社 2010年4月刊

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 私の大好きなジャンルは、歴史小説である。古代から昭和初期まで関心領域の時代は広いが、やはり抜群に面白いのが幕末から明治維新にかけての歴史小説である。思いもかけないいろいろな人物が、たくさん輩出した。

 この小説の主人公川路利良もその一人だった。薩摩の下級武士の子として生まれ、明治維新がなければとても世に出るチャンスなどなかった。西郷隆盛に見いだされ、東京に出た。

 そこで、フランス留学の道が広がった。フランスでは主に警察制度を学び、のちに「警察の父」と言われるようになった。面白かったのは、フランスで特にジョゼフ・フーシェを研究し、スパイ制度を日本に持ち込んだ。

 西郷に見いだされたにもかかわらず、西郷を裏切り大久保利通について、西南戦争を戦った。影と頼った大久保利通も暗殺された。晩年は不遇な生涯を送ったようだ。

 歴史小説家としての伊東潤は、様々な人物を見せてくれる。最近読んだ伊東潤の本だけでも、『悪左府の女』の藤原頼長、『天下人の茶』の秀吉と利休、『武士の碑』の村田新八等だ。伊東潤の歴史小説は、まだまだ道半ばである。

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 熊谷敬太郎の『悲しみのマリア』は、2016年のベスト小説の一冊だった。その小説に感銘を受けて、やはり『華舫』も読んでいる。今回、あらためてこの小説を読んだ。

 川越と江戸を結ぶ新河岸川の廻船船頭の話だった。いまでこそ新河岸川は狭く浅く、船が通った面影はない。しかし、江戸時代は重要な輸送通路だった。道が整備されていなかった江戸時代、主な輸送手段は船だった。太平洋が荒波で船の輸送に耐えられなかったので、日本海の北前船が日本の主要な輸送路だった時代が長い。

 江戸と川越を通る船では、川越からは米や野菜などの食料品、江戸からは衣料品や嗜好品などが運ばれた。この主要輸送路にも、時代の波が押し寄せてきた。江戸から明治にかけて、川蒸気船が就航するようになって、輸送量は飛躍的に伸びた。

 そういう時代背景のもと、この小説は船頭平蔵を通して新河岸川の歴史を繙いていく話だった。歴史小説として、面白く読んだ。

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 この小説は、デジャブ感を感じながら最後まで読み通した。【読書日誌】を繙いたら、やはり2016年9月に読み終わっていた本だ。まあ、何度読んでもいいのだが…。

 作家柴田哲孝は、私は『下山事件 最後の証言』、『下山事件 暗殺者たちの夏』を読み、極めて実証的な作家と信頼を持っている。今回の小説は、国家機密をもって脱北した崔純子と、それを助けようとした日本人工作員蛟竜の、中国国内の逃避行の話だ。

 崔純子を追う北朝鮮の国家安全保衛部の朴成勇は、執拗だった。何年にもわたって中国国内で、崔の足跡を追った。朴も、崔を捕まえることができなかったら、帰国後制裁を受けるのだ。中国政府も、崔の持っている極秘情報を国外に持ち出されると困るのだ。

 三者が絡み合っての逃亡、追走が続く。これに登場人物の様々な事情も絡み、小説を複雑にしていった。とうとうチベットからネパール国境までたどり着き、逃亡が完成する直前に事件は起きた。興味のある方は、小説を読んでいただきたい。

 

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