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2018年3月13日 (火)

№3737 2月に読んだ本

 以前の記事でもお話したが、2月は短いし、旅行に行ったりもして、目標通り本が読めるか緊張した一ヶ月だった。そこは集中力と【電車読書】などで、かろうじて目標を達成した。

 結果的に見ると、16冊・5375頁の読了だった。まあ、例月並みといったところか。読書という行為は時間がかかる。本を読むために犠牲にすることも多い。最近、人と会うことも少なくなった。これもその影響か。

 ただ、本を読んでいると、すべてのことを忘れて集中できるのが良い。わがプライム・タイムというべきか。それでは2月は何を読んだのかを紹介し、2~3の本の感想を述べたい。

佐々木譲『砂の街路図』 小学館 2015年8月刊

小池真理子『kiss』 新潮社 2010年9月刊

大澤在昌『極悪専用』 文藝春秋 2015年6月刊

池井戸潤『空飛ぶタイヤ』 実業之日本社 2006年9月刊

植松三十里『繭と絆』 文藝春秋 2015年8月刊

諸田玲子『美女いくさ』 中央公論新社 2008年9月刊

帚木蓬生『守教(上)(下)』 新潮社 2017年9月刊

吉村昭『大黒屋光太夫(上)(下)』 2003年2月刊

北方謙三『魂の沃野(上)(下)』 中央公論新社 2016年9月刊

内田康夫『神苦楽島(上)(下)』 文藝春秋 2010年3月刊

冲方丁『天地明察』 角川書店 2009年11月刊

阿久悠『無冠の父』 岩波書店 2011年10月刊

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 私は、帚木蓬生が好きで、彼の本はほとんど読んでいる。そして、印象に残る作品が多い。帚木蓬生の本は、ほとんどこの記事で紹介しているような気がする。

 今回の作品は、キリシタン弾圧の歴史だ。ただほかの作品と違うのは、江戸時代300年を通して、弾圧に耐え続けた九州のある村の物語だったことだ。

 大友宗麟の支配下にあった当時、この村をキリシタンの王国にしようというある庄屋がいた。宗麟にもそのことを依頼された。キリシタン弾圧に使われた踏み絵も、「ただ、ブリキの板を踏むだけだ。心に痛みを感じるのはよそう」と、それにも耐えた。

 細々と続いて江戸時代のキリシタン信仰、明治になって開放されたかというと、そうではなかった。明治政府も、やはり弾圧を続けた。ただ、江戸と違って外国人の目があり、それも長く続かなかった。考えながら読ませる小説だった。

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 吉村昭さんとは、ある思い出がある。もう30年も前になるだろうか、ある人を介して、八重洲の飲み屋で一緒になったことがある。非常に静かで紳士的だったという印象だった。何より印象に残ったのが、吉村さんは原稿の締め切りを違えたことはない、締め切りの2~3日前には原稿が仕上がっている作家だということだ。

 個人的な印象もあり、吉村昭さんの小説はほぼ読みつくしているのではないか。多分、本書ももう2~30年前には読んでいるだろう。ただ、久し振りに吉村ワールドを堪能したくて、手に取った。

 江戸時代中期の大黒屋光太夫の漂流記だ。伊勢の沖を出て江戸に向かった船は、大嵐に会い難破した。倒船を防ぐために、帆も根元から切断した。風と波にまかせて辿り着いたのが、アリューシャン列島だった。

 本国にわたり、光太夫の努力もあって、女帝に会うことができた。日本への帰国を働きかけたが、一筋縄ではいかなかった。緊張感を持ちながら、一気に読んでしまった。

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 ずいぶんたくさんの本を読んでいるが、ほとんど手に取らない苦手の作家もいる。京極夏彦や赤川次郎物もそうだし、この内田康夫の本も、作品はたくさんあるがほとんど読んでいない。

Img_5223 内田康彦には悪い印象はない。読んでみようと手に取ったのが本書だ。この小説の舞台は、淡路島だ。内田の小説は全部で154冊あるそうだが、そのうち、今回の主人公でもあった浅見光彦の探偵小説は、108事件にのぼるという。

 内田の小説は読み始めたばかりだから、もう少し彼の浅見光彦を追ってみたい。

 たまたま2月に阿久悠の『無冠の父』も読んだ。阿久悠のお父さんは、やはり淡路島の交番に勤務していた。淡路島舞台の本を立て続けに読んだのは、何かの因縁を感じた。淡路島には、学生時代の友人が住んでいる。一度訪ねたことがあったが、果たして元気だろうか。

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