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2018年4月11日 (水)

№3766 3月に読んだ本

 私の今の生活に読書は欠かせない。どこに行くにも必ず本を携えている。3月は小笠原旅行をしたが、そこにも本を5冊ほど持って出かけた。残念ながら小笠原滞在中はほとんど読めなかったが、行き帰りの船中はとっても素敵な読書空間だった。

 それにしても、本を読む時間というのは、わがプライムタイムだ。いま、学生は本を読まないというが、本当にもったいないことだ。私のような老人になると、読むそばから忘れて行ってしまう。若い脳には、読むものは全て脳に刻み込まれるだろうね。

 私は本を山のように積んで、一冊一冊読破していく。それぞれの本に次々と違う世界が現れてくる。新しい本を手に取り、今度はどんな世界か、本を読む楽しみである。3月は15冊・5445頁を読了した。最近は、毎月だいたいこんなものである。

 それでは、3月は何を読んだのかを紹介し、中でも印象に残った3冊ほどの感想を述べたい。

浅田次郎『一路(上)(下)』 中央公論新社 2013年2月刊

植松三十里『志士の峠』 中央公論新社 2015年4月刊

逢坂剛『百舌の叫ぶ夜』 集英社文庫 1990年7月刊

逢坂剛『幻の翼』 集英社文庫 1990年8月刊

池井戸潤『七つの会議』 集英社文庫 2016年2月刊

高村薫『土の記(上)(下)』 新潮社 2016年11月刊

熊谷敬太郎『江戸湾封鎖』 幻冬舎 2013年10月刊

柴田哲孝『秋霧の街』 祥伝社 2012年5月刊

内田康夫『箸墓幻想』 毎日新聞社 2001年8月刊

池澤夏樹『うつくしい日本列島』 河出書房新社 2015年11月刊

藤田宜永『喝采』 早川書房 2014年7月刊

百田尚樹『影法師』 講談社 2010年5月刊

佐々木譲『真夏の雷管』 角川春樹事務所 2017年7月刊

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 私は内田康夫の遅れてきた読者だ。ただ、どんなに遅れてきても、本は逃げない。出会った時が新刊だ。そういうつもりで読んでいた内田康夫だが、この本を読んでいる最中に、内田康夫の訃報が飛び込んできた。83歳だったようだ。そういえば作家は作品を通して知るが、私は作家本人にあまり興味を持つことはない。

 内田康夫の作品に出てくる浅見光彦は、ルポライターで本人はあまり認めたくないようだが、探偵でもある。いろいろな事件を解決しているが、作品を読む限りでは、自分からのぞむというよりも、やむを得なくそうなっているようだ。

 タイトルにあるように、今回の本のテーマは考古学殺人事件だ。本を読みながら思ったのだが、ここ十数年奈良にはいっていない。箸墓古墳は相当大きな古墳のようだが、見た記憶がない。

 考古学の大きなテーマではあるが、さらに卑弥呼の都は九州か大和か決着がついていない。この小説でもやはり言及があった。それぞれの説に説得力があって、私もよくはわからない。

 この小説を読んで、じっくり奈良を歩いてみたくなった。そういう意味で、知的興味を満足させてくれる本だった。

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 熊谷敬太郎の本は『悲しみのマリア』で感動し、それ以来、熊谷の本は見つけたら読むようにしている。このタイトルから、一見ペリーの黒船が江戸湾に入った時なのかと思ったが、そうではなかった。ペリー来航7年前に、アメリカ艦隊を率いてビッドル提督が三浦半島に来た。その顛末記だった。

 その当時、江戸湾を警護していたのが川越藩だ。その川越藩の内池武者衛門とビッドル提督の記録を、武者衛門は『先登記』という日記に書き残していたようだ。その日記をもとにして、この物語は展開している。

 それにしても、江戸時代の唯一の通訳の外国語はオランダ語だ。英語などを解する人はほとんどいなかった。どうやって通じ合えたのか、それはアメリカ艦隊に乗っていた料理人の中国語を通して、紙に漢字を書いてやりとりしていたようだ。

 このビッドルの経験をもとに、ペリーは日本に強硬策で臨んだ。意図せざる江戸湾封鎖で、江戸の経済は混乱に陥った。大阪や東北から物資の運送が滞り、相当物価が上がったというおまけまでついた。面白かった。

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 百田尚樹は、彼の極右の考えには賛同できないが、物語はとっても面白い。百田にぶつぶつ言っても、彼の本は面白いからよく読んでいる。しかも、それぞれに感銘を受けている。『永遠の0』、『海賊と呼ばれた男』、『モンスター』、『錨を上げよ』、『幻庵』などである。

 そして検索してみたら、『影法師』は一度2013年7月に読んでいることが判明した。まあ、面白い本は何度読んでもいい。百田の小説は、戦争ものか経済小説だけかと思っていたら、この小説は歴史小説だった。

 下級武士の子に生まれた戸田勘一を見込んだのは、上士の磯貝彦四郎だった。彦四郎は、学問も剣術も一流であったが、なぜかしら勘一を立てようとした。誰にも認められた才能の持ち主彦四郎は、人一倍努力を重ねてコツコツやるタイプの勘一に一目置いていた。

 ある出来事がきっかけで彦四郎は落ちぶれ、勘一は筆頭国家老まで上り詰めた。ただ勘一は、彦四郎に恩義を感じ、絶えず心にかけていた。その彦四郎が、不遇のうちに亡くなったというではないか。

 人と人との出会い、人生のままならなさを感じる小説だった。

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コメント

シンさん、すごい読書力ですね、感心しました。

投稿: そよ風 | 2018年4月13日 (金) 午前 11時53分

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