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2019年1月 8日 (火)

№4041 12月に読んだ本

 私の日常生活に『読書』がすっかり根を下ろした。というよりも、現在の生活の中心が『読書』になっているといっても過言ではない。本を読む行為は、一種孤独との向き合いでもある。

 最近、あまり人と交わってワイワイやらなくなった。というよりも、一人で本を読んでいることに慣れてきて、人ごみの中に出なることがない。飲み会などの出席も最低限度に抑えている。『読書』の良いところでもあり、悪いところでもある。大げさに言えば、老いるということは、孤独に耐えることであるのかなと達観している。

 そのせいかどうかは知らないが、本を読むことだけはコンスタントである。12月も淡々と本を読み暮らし、例月のように13冊・5572頁の読了を果たした。このペースは、多くもないが少なくもない。

 それでは例のごとく何を読んだのかを列記し、2~3の本の感想を述べたい。

堂場瞬一『蒼の悔恨』428頁 PHP研究所 2007年6月刊

内田康夫『不等辺三角形』362頁 講談社 2010年4月刊

鳥越碧『漱石の妻』395頁 講談社 2006年5月刊

高嶋哲夫『官邸襲撃』378頁 PHP研究所 2018年6月刊

上橋菜穂子『鹿の王(上)(下)』上565頁 下554頁 角川書店 2014年9月刊

伊東潤『男たちの船出』417頁 光文社 2018年10月刊

安部龍太郎『平城京』409頁 角川書店 2018年5月刊

伊集院静『日傘を差す女』395頁 文藝春秋 2018年8月刊

内田康夫『教室の亡霊』382頁 中央公論新社 2010年2月刊

沢木耕太郎『作家との遭遇』438頁 新潮社 2018年11月刊

池井戸潤『不祥事』388頁 講談社文庫 2011年11月刊

諸田玲子『四十八人目の忠臣』461頁 2011年10月刊


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 いまや上橋菜穂子さんは、大ベストセラー作家である。この作品は、2015年の「本屋大賞」を受賞し、ものすごく売れたらしい。ただ、私はあまりベストセラーには興味がない。この本を読むきっかけは、ファンタジー作品であるということで読んでみようと思った。彼女の作品『精霊の守り人』は、NHKのロングドラマとしても発表されていた。

 この作品『鹿の王』は、ファンタジーといっても決して子ども向けの小説ではなかった。内容は、結構難しかったのではなかったかな。主人公は、戦士のヴァンと医術師のホッサルである。

 ヴァンは岩塩鉱で囚われの身だったが、乱入してきた犬に咬まれほとんどの人が亡くなったなか、彼と少女だけが生き残った。なぜ彼は生き残ったのか。そして、ホッサルはその奇妙な病の治療法を模索していた。同じ病に罹って、死ぬ人もいれば生き延びる人もいる。その謎解きの話だった。

 この小説はこれで終わらないらしい。今年の3月には新作が出るようだ。

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 12月は、この本が一番面白かった。漱石の奥さんは、鏡子さんという。昔から悪妻と評判の人だった。どんな悪妻だったのか、興味を持って読んだ。読んでいて分かったのだが、漱石はA型人間なのに対し、鏡子さんは典型的なO型人間で私と同じだ。

 漱石が細々なことに気になりイライラしているが、鏡子さんは泰然自若としたものである。そもそもが全く性格の違う二人だった。女房の悪口を言い、暴力まで振るった鏡子とは、8人の子供まで設けているから、漱石は典型的な明治の暴力旦那だったのではないか。

 どうもこの小説を読んでいる限り、鏡子さんを悪妻に仕立て上げたのは、漱石の取り巻き連中だったようだ。今みれば錚々たるメンバーだったが、高浜虚子、小宮豊隆、鈴木三重吉、寺田寅彦、松根東洋城などが漱石をかばい、「漱石山房」を形成していた。そこで語られたのが、鏡子悪妻説だった。

 私は見ていなかったが、3年前の2016年にはNHKドラマにもなったらしい。

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  私は歴史小説が好きで、よく読んでいる。なかでも、安部龍太郎の小説はよく読む。いつものように検索してみると、安部の本で今まで読んだのは18作品であった。なかでも『等伯』はよくできた小説と感心した。

 今回の小説は、奈良平城京建設をめぐる物語だった。平城京の前の都・藤原京はできてまだ13年ほどだった。藤原京の建設がまだ完成する前に、すでに奈良遷都の話が出た。期間三年で唐の長安に負けない新都を建設するという大事業だ。

 この事業は、時の権力者藤原不比等の大号令だった。この事業を手掛けたのは、安部船人だ。遷都反対の反抗勢力がある中、史上最大の国家プロジェクトである。土地の買収、道路づくり、河川の移動という大難題のほか、10000人の人手を集める必要があった。

 それにしても、その当時の権力は絶大なものだったと驚き呆れてしまう。

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