« №4156 オリンピックチケットのネット販売 | トップページ | №4158 何より楽しみなナイター観戦 »

2019年5月11日 (土)

№4157 4月に読んだ本

 毎月前月読んだの報告をし、印象に残った本にコメントを寄せている。このブログを始めてからの定期記事だから、もう140~150回目の記事になるだろうか。一歩一歩のことながら、ずいぶん遠くまで来たような感慨を覚える。

 先日古い手帳をめくっていたら、「毎月3000頁の本を読みたいものだ」とのメモ書きを見つけた。一日100頁の本を読むのが目標だった。サラリーマン時代、帰りは必ず酒を飲んで帰ってきていたので、帰りの電車での読書はあてにならなかった。それが、今ではコンスタントに月5000頁の本を読んでいる。ひと口に5000頁というが、これが意外と大変だ。2~3日本を読むのを怠ったら、クリアできない。ぜひ、皆さんも試みてください。

 4月は大作を読んでいたので、なかなか前には進めなかった。一日を「電車読書」にあててページを前に進める努力もした。そして、月末にはどうやらこうやら辻褄を合わせた。結果はいつもの通り、14冊・5362頁の本を読むことができた。これだけ続けられているのも、「ブログの報告に恥ずかしい記事は載せられない」という思いが強いからである。ブログの効用でもある。

 さて、それでは何を読んだのか報告をし、3点の本についてコメントを付けたい。

中村彰彦『落花は枝に還らずとも(上)(下)』(上)342頁(下)336頁 中央公論新社 2004年12月刊

諸田玲子『今ひとたびの、和泉式部』357頁 集英社 2017年3月

鳥越碧『波枕、おりょう』339頁 講談社 2010年2月刊

服部真澄『エクサバイト』381頁 角川書店 2008年1月刊

下村敦史『サハラの薔薇』344頁 角川書店 2017年12月刊

柴田哲孝『早春の化石』342頁 祥伝社 2010年4月刊

楡周平『異端の大義(上)(下)』(上)414頁(下)382頁 毎日新聞社 2006年3月刊

鳥越碧『建礼門院徳子』講談社 265頁 2011年10月刊

村山由佳『風は西から』407頁 幻冬舎 2018年3月刊

内田康夫『風の盆幻想』348頁 幻冬舎 2005年9月刊

飯島和一『星夜航行(上)(下)』(上)533頁(下)572頁 新潮社 2018年6月刊

Sdscn0145_1
 私は飯島和一の本はほぼ読んでいると思っていた。ところが「読書ノート」で検索してみたら、本書しか出てこなかった。彼の『始祖鳥記』、『出星前夜』、『狗賓童子の島』、『雷電本記』、『神無き十番目の夜』、『黄金旅風』などは読んでいるはずだ。もっとも「読書ノート」を正確につけ始めたのは1996年ころからである。飯島の本はそれ以前に読んだものらしい。

 今回のテーマは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の実情を描いた歴史小説だった。秀吉の朝鮮出兵を描いた小説はたくさん読んでいるが、これほど実情を明らかにしたものを読んだのは初めてのことだ。改めて読んでみて、秀吉の朝鮮出兵がいかに無謀のものであったのか、考えさせられた。並みいる武将、商人、農民、誰からも反対されていたこの出兵、しかし面と向って止める人は誰もいなかった。

 何よりひどいと思ったのは、兵站の食料などは現地調達というので、日本から持ち込まなかった。勢い、派遣された兵隊は、現地で略奪、強奪するしかなかった。それだけにとどまらず、強姦、殺人、火付けなどが横行した。もともと派遣兵にモラルがなかったのだ。こんな戦争に勝てるわけはないよね。それでも派遣当初は、飛ぶ鳥を落とす勢いだった。何の準備もない朝鮮に襲い掛かったから、当然といえば当然だ。

 ただ、次第に朝鮮人の抵抗が始まった。さらに、日本から派遣された兵隊も抵抗勢力として勢いをつけてきた。主人公沢瀬甚五郎の生い立ちも詳しく記されていた。徳川家康の長男信康の家来だったが、信康が切腹を命じられ、遁走した。九州で商人をやっていたが、親しい武将に従い、朝鮮に渡った。現地のあまりのひどさに、反秀吉に転じた。いずれ1100頁の大作で、十分読みでがあった。

Sdscn0082

 楡周平の本もたくさん読んでいる。それこそ毎月一冊は読んでいるのではないか。読んでも読んでも彼の小説は尽きない、というのがいい。彼のテーマは多岐にわたる。スリラーあり、ハードボイルドあり、アクションありの多彩な作家だ。しかし、今回は珍しくサラリーマン小説だった。

 シャープ電気を思わせる「東洋電機」に勤務する主人公高見は、業績不振で岩手工場の閉鎖の作業に当たる。彼は会社の窓口になり、解雇交渉にあたったが、そこには東北特有の問題があった。再雇用先がない、勤めるのは農家の長男で農業では飯を食っていけない、日本市場の競争力の低下などだ。

 本書のテーマ「大義」は、企業にとって都合のいい大義ではあるが、人員削減、非正規雇用に苦しむ労働者にとっては、生活苦以外の何物でもないという現実を突きつける小説であった。
Simg_8251
 鳥越碧の本は、読むたびにここで取り上げている。それほど彼女の小説は、インパクトが強い。この小説のサブタイトル「おりょう秘抄」は、坂本龍馬の女房おりょうが龍馬暗殺後どのような生活を送ったのかを追った小説だった。そういえば、龍馬存命中は颯爽と登場したおりょうは、その後どうしたのか誰も追っていなかった。

 どうやら、ひたすら龍馬の妻であったことを隠し、小商人の妻として片隅に生きていたようだ。ただおりょうの後半生は、ひたすら龍馬の思い出に生きたようだ。龍馬とおりょうの関係はわずか3年だったが、それを胸に抱いて生きるにはその期間で十分だった。純愛小説だった。

|

« №4156 オリンピックチケットのネット販売 | トップページ | №4158 何より楽しみなナイター観戦 »

読書日誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« №4156 オリンピックチケットのネット販売 | トップページ | №4158 何より楽しみなナイター観戦 »