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2019年9月20日 (金)

№4188 映画「人間失格」

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 映画「人間失格-太宰治と3人の女たち」を見てきた。太宰治は、今年の6月に生家の「斜陽館」を訪ねてきて印象に深い。主要作品は読んでいるつもりだが、そんなに関心を持って読んでいたわけではない。さらに、東京シニア自然大学の講座で玉川上水を訪れ、この上水で太宰治の入水の自殺に感慨を持っていた。ただ、今は玉川上水はチョロチョロ流れる小川だ。

 この映画は、監督の蜷川実花の大胆演出でも話題の映画だ。入場券購入でわかったが、この映画はR15で、15歳以下の入場制限だった。そんなにきわどい映画なのだろうか、そういう意味でも期待を持った。

 主演の太宰治は、小栗旬だ。結構な熱演だった。そして3人の女とは、正妻津島美知子(宮沢りえ)と第一愛人太田静子(沼尻エリカ)、第二愛人山崎富江(二階堂ふみえ)だった。相当実像に沿った映画を作ったという話を聞くと、太宰治という男は相当いい加減な奴だったのではないか。毎晩お酒を飲み歩き、タバコは欠かさない。それと、女とみると所かまわず手を付けていったようだ。

 映画で見ると、太宰は何度も入水自殺を図り、「今度はどの女と入水自殺を図るつもりか」などと仲間に揶揄われていた。戦後間もなくの1946年、無頼派を粋がる太宰のスタイルだったのか。

 そういう太宰を蝕んでいたのは、肺結核だった。酒を飲み、タバコを吸っては血を吐いていた。医者には、どうしてここまで放っておいたのかと呆れられていた。医者にどんなことを言われても、太宰は生活態度を変えなかった。彼の周りには、死の予感が漂っていた。

 一方で、子ども3人を抱えた正妻のところには、家一軒建つほどの飲み代の請求書が突き付けられた。ただ、太宰の作品は飛ぶように売れていた。その当時「斜陽」、「ヴィヨンの妻」などが売れに売れて、売れっ子だった。編集者や取り巻きが、太宰の周りにはいつも黒山だった。ただ、ある時その飲み屋に現れたのが三島由紀夫だ。「私はあなたのような文学作品は、認めません」と宣言した。

 正妻美知子は、いつか太宰がとんでもない傑作を書いてくれるのを期待して、その生活態度に耐え忍んでいた。美知子は地味な女に描かれており、宮沢りえはミスキャストではなかったのか。

 山崎富江(二階堂ふみえ)は、女房がいようが第二婦人がいようが、とにもかくにも太宰が好きだった。富江から「一緒に死のう」と持ち掛けた。太宰は「そうだね」と気のない返事を繰り返したが、無理に玉川上水に引っ張って行って入水自殺を成し遂げた。

 蜷川実花監督の4作品目とのことだが、何しろ映像がきれいだったね。R15指定作品という割には、大人しいような気もした。

 

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