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2019年10月 8日 (火)

№4206 9月に読んだ本

 毎月月初めには前月読んだ本の報告をし、次月への反省としている。

 定年前に、暇になったら飽きるほど本を読もうと思っていたが、定年なって13年になるが、ほぼその生活ができているのが嬉しい。それにしても、読めば読むほどさらに読みたい本が増えてくる。読書とは、まさに無間地獄のようなものだ。

 これだけ読んでいるはずなのに、まだまだ読んでいない作家を発見できるのは一つの大きな楽しみである。どうだろうか、それでも面白い本の匂いを嗅ぎ分けられるようになった気がする。また、読んだ本のリストを見ると、大半が私の好きな作家であることに驚く。ただ、その好きな作家の本も読み尽くした感がある。なかなか次の作家へ触手が動かないのも事実だ。

 このところ、前に読んだ本を再度読むことが多い。今月も3冊が再読だった。もう20年以上も前に読んだ本は、今読んでも新鮮だ。本棚にはたくさんの小説がある。そろそろ再読されるのを待っている本もあるので、今後とも積極的に読んでいきたい。

 さて、9月は15冊・5471頁の本を読了した。まずまずの成果であったような気がする。詳しく、何を読んだのか紹介したい。その上で、2~3点の感想を述べたい。

火坂雅志『虎の城(上)(下)』(上)405頁(下)395頁 祥伝社 2004年9月刊

中村彰彦『会津の怪談』299頁 廣済堂出版 2014年9月刊

辻原登『籠の鸚鵡』316頁 新潮社 2016年9月刊

堂場瞬一『執着 捜査一課・澤村慶司』388頁 角川書店 2013年2月刊

沢木耕太郎『銀河を渡る』461頁 新潮社 2018年9月刊

赤神諒『妙麟』335頁 光文社 2019年7月刊

半藤一利『隅田川の向こう側ー私の昭和史』350頁 創元社 2009年3月刊

藤原新也『黄泉の犬』314頁 文藝春秋 2006年10月刊

久間十義『生命徴候バイタルサインあり』477頁 朝日新聞出版 2008年4月刊

乃南アサ『ミャンマー』206頁 文藝春秋 2008年6月刊

村上春樹『辺境・近境』252頁 新潮社 1998年4月刊

池井戸潤『ノーサイドゲーム』402頁 ダイヤモンド社 2019年6月刊

真保裕一『ボーダーライン』462頁 集英社 1999年9月刊

柳原和子『さよなら、日本』409頁 ロッキング・オン 2007年7月刊

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 何よりも素敵な本を読んでいるときの幸せといったらない。本書も読んでいて、読書の楽しみを味わった幸せな時間を持った。沢木耕太郎の25年間にわたるエセーをまとめた本だ。沢木と私は、ほぼ同世代である。彼の本を読むたびに、彼とは価値観が同じと感じる。今まで沢木の本は、ほとんど読んでいるのではないか。

 沢木のエセーの中心にあるのは、「深夜特急」である。彼は香港を出発して、ポルトガルまでバス旅行をした。それをまとめた旅のエセーだったが、第一巻のマカオのバカラの話がなかなか終わらない。いつ旅の話が立ち上がるのか、イライラしたものだった。本書のエセーも、基本は「深夜特急」だった。さらに、沢木の肝をなすのはスポーツだ。スポーツのエセーも、読んでいて楽しい。

 このエセー集に収緑されていた高倉健へのインタビューも出色だった。シャイで人の前に出るのが苦手な高倉健は、沢木に心を許した一人だったのではないか。その項を読んでいて、微笑ましさを感じた。

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 藤原新也も、若干年上ではあるがほぼ私と同世代である。彼の話も小説はいうよりもエセーだ。『黄泉の犬』はインド旅行の体験記が中心だ。ガンジス河の畔は聖なる川であるとともに、死者を弔う場所でもある。ヴァラナシィの川の畔には、たくさんの死者の焼き場があった。枯木を積み上げて死者を荼毘にふすのが、インドでは最高のもてなしのようだ。その焼き場の下には犬がいて、生焼けの骨を持ち去って行っていた。私には衝撃的な現場だったが、どうやら普段から行われているようだった。本書では、その話が長々と書かれていた。さらには舟を雇って向こう岸に渡り、野犬に襲われそうになった怖い経験も書かれていた。

 本書のもう一つの主題は、オウム真理教事件である。藤原は、現代の転換点となった年を1995年と思っているようだ。1月には淡路・神戸大震災があり、3月にはオウム真理教の地下鉄サリン事件があった。藤原は、この事件の背景に興味を持った。浅原彰晃は、熊本の窒素の街八代の生まれのようだ。その街を訪ねて、浅原の原点を探った。

 さらに、藤原は世を忍びひっそり生きていた浅原の兄を訪ねあて、事件の原点を解き明かそうとした。どうやら、浅原は水俣病の犠牲者の一人ではなかったのかと仮説を立てた。彼のルポライターの探究精神を大いに発揮させる一冊だった。私にとっても、1995年は忘れられない年だ。その年の初夏、Gyuちゃんとトルコを旅した。

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 池井戸潤の小説はまるで麻薬のようなものだ。一度読み始めたら止まらない。前にも報告したが、那須で読み始めたこの本は、一夜で読んでしまった。タイトルのように、ラグビー本だ。ワールドカップラグビーが日本で行われている時期に、まさにタイムリーな本だった。

 トキワ自動車の経営の中枢にいた君島が、左遷されたように工場に追いやられた。その工場の総務部長は、また、ときわ自動車のラグビー部のゼネラルマネージャーの役割も負わされた。君島には、ラグビーに対する思い入れはなかった。ただ、今後のラグビー部の中期計画を見ると、年間15億円のお金が会社から出ていた。おりしも経費削減が叫ばれている折、役員会では大問題だった。辛うじて、経営トップの鶴の一声で維持されていたにすぎない。

 どこの社会人ラグビー部も同じような環境下にあった。日本蹴球協会に改善を申し入れたが、「ラグビーは神聖なアマチュア協議で、儲けなどの議論はすべきでない」と却下された。一方ではクラブの強化、一方では協会の体質改善と、君島は奮闘した。ラグビー協会の体質は旧態依然だったが、これを読みながら、日本サッカー協会の劇的な成功を思った。

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コメント

今、ルアンパバーンのナイトバザールから帰って、コメントしました。
今度はうまく送信されるのかな。とりあえず送信します。

投稿: 竹ちゃん | 2019年10月 8日 (火) 21時37分

竹ちゃん
ラオスからのコメントありがとうございます。
今回ブログの設定が変わって、
海外からのコメントは
「受信を許可する」にしなければならないと
初めて知りました。
せいぜい楽しみ、頑張ってください。

投稿: シンさん | 2019年10月 9日 (水) 07時41分

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