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2020年1月 8日 (水)

№4399 12月に読んだ本

 毎月の月初めに、前月読んだ本の報告をし、次月への反省としている。この記事はブログを始めた当初からの定例記事だから、もう12年も続いている。このブログの良いところは、皆さんに報告することによって、自分を鼓舞し発破をかける要素があることだ。読者に恥ずかしい報告はできない、と常々思っている。

 何事でもそうなのだろうが、本を読むのにはバイオリズムがあるね。ドンドン読める時とほとんどはかが行かない時がある。これって何なんだろうかと時々思ってしまう。それが、面白い本を読んでいる時もつまらない本を読んでいる時も同じである。読書の一番の峠は、100頁だ。100頁を超えると勢いで読んでしまうが、その頁が遠い時がある。その時の特効薬が「電車読書」だ。電車に乗ると、いやでも応でも読まざるを得ない。

 さて、12月は15冊・5785頁の本を読了した。いずれ2019年の読書総括の時に述べたいが、昨年の中では高水準の読書量だった。11月と12月は、昨年の低水準の読書量にギアを上げて、なんとか一年間の体裁を保った形になった。というのも、いつもその月に何頁読んだか、その年はどうだったかを睨みながら本を読んでいるからだ。

 それでは12月に何を読んだのか報告し、2~3冊の感想を述べたい。

柴田哲孝『銀座ブルース』292頁 双葉社 2009年7月刊

大沢在昌『俺はエージェント』517頁 小学館 2017年12月刊

植松三十里『帝国ホテル建築物語』333頁 PHP研究所 2019年4月刊

熊谷達也『浜の甚兵衛』333頁 講談社 2016年11月刊

梶山三郎『トヨトミの野望』381頁 講談社 2016年10月刊

梶山三郎『トヨトミの逆襲』285頁 小学館 2019年12月刊

楡周平『クーデター』493頁 宝島社 1997年3月刊

佐伯一麦『還れぬ家』441頁 新潮社 2013年2月刊

柴田哲孝『GEO Great Earth Quake』433頁 角川書店 2010年2月刊

藤田宜永『銀座 千と一の物語』391頁 文藝春秋 2014年3月刊

本城雅人『時代』413頁 講談社 2018年10月刊

村山由佳『はつ恋』249頁 ポプラ社 2018年1月刊

好村兼一『いのち買うて』411頁 徳間書店 2016年5月刊

久坂部羊『祝葬』270頁 講談社 2018年2月刊

奥田英朗『無理』543頁 文藝春秋 2009年9月刊

Sdscn1554  12月に最も夢中で読んだのが、梶山三郎『トヨトミの野望』『トヨトミの逆襲』であった。梶山三郎とは誰なのか。著者紹介では、経済記者で覆面作家とある。読んでいると、某大手経済新聞社の記者であろうことがわかる。『トヨトミ』という題だが、これも一見してトヨタ自動車の権力闘争を書いた小説だと分かった。現在進行形の経済小説なので、匿名にしたのだろうか。

 こういう経済小説というのは、事情が分かると面白いね。この小説はほぼ事実に則って書かれているようだが、フィクション経済小説を書く池井戸潤の小説なんかも面白いね。この小説を読みながら、トヨタ自動車の歴代社長を検索した。本当に感心してしまうが、ネット情報にはありとあらゆるものが載っている。「トヨタ自動車 歴代社長」の検索で、名前がずらっと出てくるのは、この小説を読むのに役立った。

 『トヨトミの野望』は、主としてトヨトミの社長を巡る権力争いが描かれていた。豊田家に刃向った社長は誰なのか検索してみたら、どうやら第八代社長の奥田碩のようだ。豊田家は、トヨタの株を2%しか持っていないようだ。しかし、あらゆる経営企画に口を出していた。豊田家を棚上げしようとしたクーデターに、内部情報で奥田は外されていった。

 あまりにも面白かったので、発売直後の『トヨトミの逆襲』も買ってすぐに読んだ。この新刊は、現社長豊田章男を巡って書かれた小説で、2022年までの未来小説でもあった。現在世界のトップ企業でもあるトヨタの、今後の行く末を見通して非常に面白かった。この小説は、二冊一緒に読んだ方がいいね。

Sdscn1442 Sdscn1635  最近、好んで柴田哲孝の本も読んでいるね。私は当初柴田哲孝をノンフィクション作家だと思っていた。最初に柴田の本を読んだのは、『下山事件』、『下山事件 暗殺者たちの夏』、『中国毒』などをを読んでいたからである。ところがどうやら最近柴田の読む本は、ほとんどがフィクションだ。

 『銀座ブルース』は戦後すぐの銀座に材をとりながら、小平事件、帝銀事件、昭和電工疑獄、下山事件などの大事件を読み解いていくハードボイルド小説だった。私にはなじみの太宰治や刑事平塚八兵衛なども出てきて、ノンフィクション仕立てになっていたが、矢張りフィクションだね。

 『GEQ』は、それこそとんでもないフィクション小説だった。題名からわかるように、この小説は大地震の話だった。刊行が2010年の本だから、まだ「東日本大震災」が起こる前年の話だ。主に取り上げられている地震は、1995年に起きた「神戸・淡路大震災」だ。この地震を含め、インドネシアのアチェ大地震、イタリアの地震などは皆某大国の謀略により、人為的に起こされたものだという小説だった。ばかばかしい話だとは思いながら、面白く読んだ。

Sdscn1636_20200107130001  読んでいてほっこりさせられるのが、佐伯一麦だ。佐伯一麦(和美)の小説にはあまり大きな出来事はない。いわば、佐伯家を巡る私小説のようなものだ。そんな何もない小説の中にも、矢張り小さいながらも山や谷がある。

 佐伯は仙台生まれで、今での仙台に住んでいるのではないか。一時は父親と対立して関東に仕事を求めていたが、父の認知症で仙台に帰ってきた。やがて父は死に、東日本大震災に見舞われた。父の死も大震災も、きしくも3月11日だった。妻との家庭内些事を語る話も好ましい。

【1月7日の歩行記録】8,286歩 5.5km

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