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2020年4月10日 (金)

№4992 3月に読んだ本

 すべてのスケジュールがキャンセルになり、人と会うことも制限されてみると、残るのは本を読むことだけだ。とはいっても、読書に慣れていないものに簡単に「本を読むように」促されても、そういうわけにはいかない。本当に「読書は習慣」である。私は本を読む習慣を身につけている。というよりも、本を読むことしかやることがないと、肯定的に現状を受け止めている。

 有り余る時間を読書に傾けるのは、まことに至福の時間だ。朝に読み、昼に読み、夜の寝る前、夜中に目が覚めては本を読んでいる。どうだろうか、時間に直すと1日4~5時間は読んでいるのではないか。それならもっと読めそうなものだが、長く読んでいると飽きてくるのはしようがない。1日200頁は読みたいという目標はおろしていない。しかし、1か月で均してみると、1日当たり170~180頁というのが実情だ。

 3月は本当に参った。私の読む本は、ほとんどが市の図書館で借りてくるものばかりだ。ところが3月上旬、何の予告もなく突然図書館が閉館した。新型コロナウィルスの影響だという。3月いっぱいの閉館というので、4月1日に図書館に行ってみた。そしたら延長して4月いっぱいは閉館だとのことだ。さて困ったね。

 このところほとんど見向きもしなかった本棚に眼をやった。数えたことはないが、わが家には5000~6000冊の本はあるはずだ。仕方がないので、これはという本を本棚から見繕って読んでいる始末だ。奥付の発行日をみると、1900年代後半から2000年代初頭にかけての本ばかりだ。ところが、もう20年以上前に読んだはずの本が、新鮮だった。このところ、本棚から引っ張り出した本ばかりを読んでいる。さて、3月は13冊・5,890頁の読了だった。例月に比べて500頁ほど余分に読んだことになる。

 それでは何を読んだのか報告し、2~3の本の感想を述べたい。

藤崎慎吾『鯨の王』476頁 文藝春秋 2007年5月刊

樋口明雄『天空の犬』356頁 徳間書店 2012年8月刊

ヒキタクニオ『アムステルダムの日本晴れ』395頁 新潮社 2005年5月刊

藤田宜永『異端の夏』466頁 講談社 2003年1月刊

湊かなえ『山女日記』292頁 幻冬舎 2014年7月刊

安部龍太郎『十三の海鳴り 蝦夷太平記』485頁 集英社 2019年10月刊

梁石日『魂の痕』270頁 河出書房新社 2020年1月刊

馳星周『不夜城』299頁 角川書店 1997年8月刊

佐々木譲『勇士は還らず』540頁 朝日新聞文庫 1997年11月刊

池澤夏樹『マシアス・ギリの失脚』535頁 新潮社 1993年6月刊

船戸与一『蝦夷地別件(上)(下)』(上)573頁(下)608頁 新潮社 1995年5月刊

帚木蓬生『薔薇窓』595頁 新潮社 2001年6月刊

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 私は不覚にして藤田宜永が亡くなったことは知らなかった。図書館で「藤田宜永を偲ぶ」コーナーができていて、はじめて藤田が亡くなったのを知った。私は藤田の本はずいぶん読んできた。彼は探偵小説も書いていたが、基本的には恋愛小説の作家だ。あらためて、今まで藤田の本を何冊読んできたのか検索してみた。なんと47冊も読んでいた。

 そして分かったのだが、『異端の夏』も今まで3回も読んでいた。2004年7月、2010年9月とこの2020年3月である。最近、同じ本は何度読んでもいいと割り切ることにしているが、それにしても読み終わるまで以前読んでいたことに気が付かなかった。

 藤田宜永は、1月30日に亡くなった。私より5歳も年下だ。私は藤田の小説も好きだったが、奥さんの小池真理子の小説も好きでよく読んでいる。藤田の小説も小池の小説もあらかた読んでしまった。藤田の新作を読むのを楽しみにしていたのだが、それも叶わないことになってしまった。藤田はものすごいヘビースモーカーだったらしい。肺には大きな穴が開いていたという。

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 船戸与一も亡くなって5年になる。私は彼の長編小説が大好きだった。今回の『蝦夷地別件』も2007年から8年にかけてすでに読んでいた。図書館閉館に伴い、再度読んでみようと本棚から引っ張り出した。この本も大作で上下合わせて1180頁あまりあった。しかも本文は2段組だったから、1段組の本に比べて2割方多かったのではないか。前回は10日間をかけて読んだが、今回も読了まで6日かかった。

 いつも大作を読むたびに思うのだが、作家が何年もかけて書いた小説をわずか4~5日で読んでしまい、申し訳なく思っている。そして、読者になっても小説家になどなるべきではないとつくづく思ってしまう。まあ、小説など書けないのだが、圧倒的に読者が有利だね。

 あらためて船戸の読んだ本をリストアップしてみた。42冊ほどを読んでいる。リストアップするたびに、2回3回と読んだ本が出てくるのは驚きだ。再読三読を情けなく思うわけではないが、読み終わってもそのことに気が付かないのが情けないね。

 『蝦夷地別件』を読んで改めて思ったのだが、アイヌの人たちがいかに和人(しゃも)に虐げられていたのか、悲惨なほどだった。よくぞここまで調べて書けたものと、船戸の筆力に感嘆した。

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 安部龍太郎は歴史小説家として大好きで、彼の新作を楽しみに待っている。『十三の海鳴り 蝦夷太平記』は昨年の10月に出た新刊である。安部は、ほとんどが歴史に名の売れた主人公を描く。信長、家康、等伯、宗麟、楠木正成などである。

 このタイトルを読んで、津軽の話だと分かった。十三湖は、昨年の津軽の旅で訪れた。今回の小説は、この地が舞台だった。時代は鎌倉末期から南北朝にかけての話だ。幕府と天皇方の権力闘争が、この津軽の地にも影響があった。親族が幕府と天皇方に分かれて争いが激化していた。

 この小説だけではないが、当時の日本の主要な交通路は陸路ではなく、日本海を中心とした海路で発達していたことがよくわかる。歴史小説には夢があるね。

【4月9日の歩行記録】654歩 438m

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