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2020年5月 9日 (土)

№5021 4月に読んだ本

 私の読書計画は、市の図書館に負うところが大きい。今までは、ほとんど、本を図書館で借りて読んでいた。メリットは、一度に2週間、10冊まで借りられるのだが、借りた本を2週間で読もうと努力することにある。締切日に追われるように読書を進める。結果は、最低限月5000頁の読了ができている。

 それが大きく変わったのがコロナウィルス騒ぎである。3月上旬に図書館に行ったら、「今月いっぱい閉館です」の張り紙があった。想定していないことだった。それが4月に入っても5月に入っても閉館の状態は続いていた。ウ~~ム、困ったね。ただ、わが家にはたくさんの蔵書がある。今まで本棚の肥やしになっていたのだが、これを機会に蔵書の見直しをした。

 多分、ほとんど読んでしまった本のはずだが、読み直してみると内容はほとんど覚えてない。まるで新刊感覚で読めた。奥付をみると、1900年代の末から2000年代初めにかけての本だ。ただ、わが本棚はきちんと整理されているわけではない。空いているスペースに本を突っ込んだ状態である。以前もそうだったが、本を探すなら買った方が早いと同じ本が2冊も3冊もある。本棚を買って本を収めても、すぐに一杯になると、その内に本棚も買うのをやめた。本が自宅のあちこちに点在する始末だ。

 女房に「本など捨ててしまいなさいよ」と常々言われている。ところがいざ捨てるとなると、これができない。今回の騒ぎで再度在庫を見直してみて、矢張り本は捨てないで良かったとつくづく思った。さて、4月は13冊・5617頁を読了した。ほとんどが自宅にあった本であった。毎月のように、何を読んだのか報告をし、その中で印象に残った本の紹介をしたい。

楡周平『青狼記』471頁 講談社 2000年7月刊

帚木蓬生『安楽病棟』462頁 新潮社 1999年4月刊

春江一也『ベルリンの秋(上)(下)』(上)455頁(下)485頁 集英社 1999年6月刊

湖島克弘『阿片試食官』365頁 徳間書店 1999年1月刊

大沢在昌『天使の爪(上)(下)』(上)463頁(下)456頁 光文社 2005年6月刊

桐野夏生『柔らかな頬』365頁 講談社 1999年4月刊

浅田次郎『壬生義士伝(上)(下)』(上)390頁(下)373頁

馳星周『鎮魂歌 不夜城Ⅱ』330頁 角川書店 1998年8月刊

西木正明『養安先生、呼ばれ』486頁 恒文社 2003年10月刊

春江一也『ウィーンの冬』516頁 集英社 5005年11月刊

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 以前は西木正明の本をよく読んでいたが、最近はとんとご無沙汰している。新刊活動をしているのだろうか。西木正明といっても知らない人が多いかもしれないが、秋田県出身の作家である。私は行ったことがないが、どうやら西木村出身とのことだ。今回の本も、秋田県の院内銀山が舞台であった。

 多分この本を読んだせいかしら、帰郷の折り、一度院内銀山に行ってみた。もう10数年も前のことである。いろいろな鉱山が観光化されている中、この院内銀山は坑道が閉鎖されていて、ひっそりしていた。かつての賑わいは、どこにも見られなかった。

 この小説は、江戸末期のの話である。世の中は飢饉でどんどん人が亡くなっていたが、この銀山では白いご飯が食べられていた。当時は、この院内銀山と兵庫県の生野銀山が最盛期だったらしい。食い詰めた人たちがこの院内銀山に押し寄せ、活況を呈していた。この院内銀山で唯一の医者が、門屋養安である。彼の活躍を書いた小説だった。

 当時は肺病(結核)で亡くなった人が多かったが、この銀山では「よろけ」(珪肺)で亡くなる人が多かった。構内で塵灰を吸い、30数歳の働き盛りで亡くなって行った。養安先生は、このよろけを無くそうと努力したが、当時の医学ではどうもできなかったようだ。それと、痘瘡を無くそうと奮闘した。痘瘡も、当時の特に子どもにとっての死病だった。

 酒の好きだった養安先生だが、どんなに酔っていても頼まれると病床に駆け付けた。この小説は、「養安先生没後130年記念出版」だった。

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 この本も1999年に読んでいるから、もう20年にもなる。作家の春江一也は、外務省の外交官出身だった。こういう話が好きで、私は春江の本をよく読んだ。ただ今どうしているのか、久し振りに「春江」を検索してみたら、すでに2014年に亡くなっていた。人はどんどん死ぬものだ、と改めて感慨がわいた。

 この小説には前段があり、『プラハの春(上)(下)』という小説があった。たしか自宅にあるはずと探してみたが、見つからなかった。これも含めての三部作だ。『プラハの春』では、チェコ大使館に勤めていた主人公堀江亮介が、カテリーナ・グレーベという女性と大恋愛する話だった。当時のチェコの状況も含めて、夢中で読んだ記憶がある。カテリーナは、「暗殺」という悲惨な最期を遂げた

 そして今回の『ベルリンの秋』は、堀江が次に赴任になったベルリンでの話だ。当時は西と東に「ベルリンの壁」があり、隔てられていた。そこで不思議な出会いがあった。カテリーナの一人娘、シルビア・シュナイダーとの出合いだ。堀江はシルビアをカテリーナの忘れ形見として認識していたが、シルビアは堀江を恋愛の対象として見ていた。

 堀江の時代認識も面白かった。まだロシアの共産体制が確固としている中、この体制は長くは続かないと読み切っていた。様々なレポートも書いたし、外務省の中でも「ソヴィエトの崩壊」を口外した。恋愛小説が好きな私は、堀江とシルビアの関係がどうなるのか興味深く読んだ。局、行き違いでシルビアは他の男の子どもを産んだ。生まれた子供を堀江は認知した。

 『ウィーンの冬』は、堀江がアフリカ外交官を経て本省に帰り、特別の任務を帯び外務省をやめた話だ。オーストリアのウィーンで、東西のころが、生まれ故郷ではシルビアが死の床に伏してしていた。すぐ飛んで会いに行けるのに、仕事でママにならない堀江にイライラを募らせながら読んだ。

【5月8日の歩行記録】8,487歩 5.7km

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