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2020年6月 9日 (火)

№5051 5月に読んだ本

 毎月の月初に前月読んだ本の報告をし、若干の感想を述べている。

 これまでは、読む本のほとんどを市の図書館に依存していた。ところが今回の新型コロナウィルス騒ぎで、市の図書館は3月上旬に閉館してしまった。困った私は、自宅にある在庫の本を手に取った。ほとんどが20年以上も前の本だ。私は頭が悪いというのか、以前読んだはずの内容をほとんど覚えていなかった。全くの新刊と同じだ。

 それから3ヶ月経つが、自宅の隅に転がっている本を探しては読み続けている。読んでいる本はほとんどが厚くて、読み応えのあるものだ。結構二段組の本も多かった。そしていまでは、自宅が本の再発見の場になっている。そして、こんな本もあんな本も読んでいたんだなと、感慨にふけることが多い。

 今回の新型コロナウィルス騒ぎで自粛を呼びかけられていたが、当然のように私には無縁だった。探し出してきては読む日の連続だ。そして、5月は12冊・5638頁を読了した。なかなか目標の6000頁とはいかないが、それでもいい水準だったのではないか。

 それでは例月にように、何を読んだのか報告し、若干の本の感想を述べたい。

三浦しをん『風が吹いている』508頁 新潮社 2006年9月刊

飯島和一『黄金旅風』485頁 小学館 2004年4月刊

楡周平『クラッシュ』605頁 宝島社 1998年12月刊

梁石日『血と骨』513頁 幻冬舎 1998年2月刊

東野圭吾『白夜行』506頁 集英社 1998年8月刊

楡周平『ターゲット』508頁 宝島社 1999年11月刊

工藤美代子『快楽』280頁 中央公論新社 2006年3月刊

逢坂剛『メディア決闘録ファイル』251頁 小学館 2000年4月刊

佐々木譲『昭南島に蘭ありや』477頁 中央公論 1995年8月刊

飯島和一『始祖鳥記』397頁 小学館 2000年2月刊

大沢在昌『欧亜純白Ⅰ・Ⅱ』Ⅰ565頁 Ⅱ541頁 集英社 2009年12月刊

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 梁石日(やん・そぎる)さんの原点というべき作品である。主人公金俊平は、多分父親のことであろう。その父親のとんでもない人生を描いた作品である。父親金俊平は、戦争中、済州島から日本にやってきて、大阪に住み込んだ。蒲鉾職人であった。ただ、まじめな職人というよりも、しょっちゅう仕事をさぼって酒ばかり飲んでいる。

 巨漢で力があり、狂暴、絶倫、酒豪、博徒、吝嗇、猜疑心の塊のような男だ。梁石日は、この父親を冷静に観察し、父親の暴力から家族を守った。この小説を読みながら、こんな男もいるんだと驚き呆れてしまった。彼は、ある時蒲鉾工場が売りに出されたのを知った。とはいっても金はない。奥さんが金を作り工場を買った。その蒲鉾工場が大当たりした。金俊平にドンドン金が入ってくる。ただ、その金は一銭も家族には渡さなかった。

 家族は貧乏のどん底で苦しんでいた。戦後まもなくだろう、奥さんは金を稼ぐために闇商売に手を染めた。そして、辛うじて家族の生計が成り立って行った。この父親の行状にあきれながらも読ませるのが、この小説に力技ではなかったか。

 好き放題にしていた俊平だが、周りの誰からも相手にされず、次第に孤独をかこった。最後に一人で北朝鮮に渡って行ったが、その後のことは誰にも分らなかった。ものすごく印象に残る作品だが、2004年、ビートたけし主演で映画化された。ずいぶん話題になったようだが、私は見ていない。この作品がきっかけで、私は梁石日の作品はほとんど読んだ。

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 大沢在昌も私の好きな作家の一人だ。彼は多作な作家だが、私はほとんど彼の作品は読んでいるのじゃないかな。特に「新宿鮫」シリーズは、胸を高鳴らせて次々と読んでいった記憶がある。今調べてみると1990年ころの話だ。よくもあれだけ人殺しをやるものと、あきれながら読んだ記憶がある。この作品は、(Ⅰ)と(Ⅱ)を合わせて1100頁に及ぶ大作だった。私にとっては、このような大作を読むのに苦労しない。

 今回のテーマは麻薬である。その内容のスケールも、ユーラシア大陸と名前を付けるほど大きい。麻薬は、罌粟の花から作る。その罌粟の産地は、黄金の三角地帯といわれるタイ・ミャンマー・ラオスの国境地帯で栽培されている。もう一つの一大産地が、黄金の三日月地帯といわれているアフガニスタンの国境地帯だ。

 この麻薬の流通ルートは複雑だ。今回の小説は、中国から日本を経由して、最大の消費地アメリカまでのルートを作り上げようとうごめく闇について描かれている。その陰に「ホワイトタイガー」がいるが、その実態は誰にも分らない。この小説を読んでも、結局は「ホワイトタイガー」は闇に包まれていた。

 麻薬ビジネスについて、この小説を読んでわかったのだろうか疑問だ。ただ、読ませてくれた。

【6月8日の歩行記録】9,088歩 6.1km

【6月8日のアクセス数】259アクセス、訪問者97人

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