№4634 池江璃花子の復活
スーパースイマー・池江璃花子が復活した。先日行われた「東京都特別大会」の50m自由形でだった。
ご存知のように、池江は昨年の1月に白血病と診断された。それから闘病生活が続いた。時々彼女の動静が伝わってきていたが、その闘病はすさまじいものだったらしい。髪の毛は抜け、吐き気に悩まされ続け、「もう死にたい」と思うほどだったようだ。当然、水泳に復帰できるような状態ではなかったらしい。
彼女のオフィシャルサイトやTwitterでその動きは知っていたが、徐々にその状態から回復して、今年の3月に病後初めてプールに入ったらしい。400日ぶりのプールでの楽しい思いが伝えられていた。ただ、病気発覚以来、池江は東京オリンピックは無理で、次のパリ大会を目指すと明言していた。
今回の東京大会は、池江の594日ぶりのレースとして注目された。結果は26秒32と、その組のトップだった。そして55人出場のレースで5位の成績だった。もちろん、彼女が持つ日本記録24秒21には2秒以上も足りなかったが、復帰の大会としてはまずまずだったのではないか。そして、当面の目標である日本学生選手権(10月、東京辰巳国際水泳場)での個人種目参加標準記録26秒86をクリアした。
ただ、彼女の姿をみると、随分筋肉が落ちていた。体に恵まれた彼女の往年を思うと、まさにガラガラという感じだ。それだけ筋肉が落ちていたにもかかわらず、レースに出て結果を残すところに池江の凄さがある。東京オリンピックが一年延期になったので、それに間に合わないかと思うのは期待のし過ぎかもしれない。
彼女の泳ぎを見て、東京都水泳協会会長の北島康介は、「彼女を見て多くの人が勇気づけられたし、僕もその一人。このタイミングで出てくれたことに感謝しています 」と語っている。さらに、萩野公介は「奇跡。グッとくるものがあった」といっていた。メダル候補の入江陵介も「水泳はパワーではなく、テクニック」と勇気を新たにしたと語った。
海外からも、池江の泳ぎに驚きを持ったと伝えられている。
病気をするまでの池江は強かった。泳ぐたびに記録を更新していった。東京オリンピックではいくらメダルを取るだろうかと、私は期待していた。それが白血病と分かり、がっかりした思いがある。それだけに、筋肉は落ちたとはいえ、プールに戻ってきてくれたことを喜びたい。まあ、無理をせずに徐々に復活することを願う。
【8月30日にアクセス数】131アクセス 訪問者80人
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