« №5171 意外と毎日が充実 | トップページ | №5173 台風の名前 »

2020年10月 8日 (木)

№5172 9月に読んだ本

 毎月の月初めには、前月読んだ本の報告をし、2~3冊の感想を述べている。この頁はブログ始まって以来からだから、13年10か月で166回以上になるだろうか。私にとって、この報告はブログを続けている大きな要因でもある。

 さて、3月から自宅の本棚にある本を再読しているが、「近藤紘一」の文庫本が見つかった。もう30年も前に読んだ本だろうか。近藤紘一さんは、サンケイ新聞社の記者で、1886年にお亡くなりになった。亡くなった当時は話題になり、その時に読んでいたのだろうか。彼はサンケイのベトナム特派員だったが、何より話題になったのが、現地でベトナムの女性と結婚したことである。

 私は4度ほどベトナム旅行をしているが、彼の本に触発されたことが多分にある。本棚で見つけたので全部読もうと思っていたが、肝心の一番読みたい『サイゴンから来た妻と娘』、『サイゴンの一番長い日』が見当たらない。Amazonの古本でも図書館でも見つからなかった。しようがないね、この9月はある本全部を読んだ。文庫本と軽く考えていたのだが、これが意外と時間がかかった。

 結果として、今年一番読書が進まずに、12冊・4554頁の読了に終わった。それにしても読書に波はあるもので、年に一回は必ず低調な月がある。文庫本もそうだったのだが、9月は読書に飽きた感じもあった。10月は、これはいけないと心を入れ替えている。それでは何を読んだのか報告し、その内の2~3の本の感想を述べたい。

檀一雄『火宅の人』458頁 新潮社 1975年11月刊

近藤紘一『戦火と混迷の日々』285頁 文春文庫 1987年2月刊

近藤紘一『パリへ行った妻と娘』318頁 文春文庫 1988年7月刊

近藤紘一『目撃者』474頁 文春文庫 1991年2月刊

近藤紘一『したたかな敗者たち』318頁 文春文庫 1998年2月刊

赤神諒『計策師』356頁 朝日新聞出版 2019年10月刊

真保裕一『アンダルシア』330頁 講談社 2011年6月刊

内田春菊『シングル・マザー』261頁 講談社 2018年11月刊

坂崎重盛『神保町「二階世界」巡り及び其の他』380頁 平凡社 2009年10月刊

逢坂剛『果てしなき追跡』588頁 中央公論新社 2017年1月刊

逢坂剛『最果ての決闘者』503頁 中央公論新社 2019年10月刊

Dscn2421 前段でも話したが、本棚の中から久し振りに近藤紘一の本を取り出した。前にもお話ししたが、彼はサンケイ新聞のベトナム特派員で、南ベトナムが崩壊したのを間近に見ている。その崩壊現場は生々しく、読んでいるものにその悲惨さが伺われた。ただべと並人はその悲惨さを嘆いているだけでなく、混沌の中での再生が力強かった。いまから見たら、遠い昔のことだ。

 もう一つの話題が、特派員時代に結婚したベトナム人ナウさんだ。ナウさんには前の旦那との間に娘ユンがいたが、近藤はこの二人が大好きだった。ユンは実の娘のように育った。南ベトナムの愁嘆の話にも感動を受けたが、何よりもこの家族の話にほっこりした。彼は若くしてガンで亡くなったが、もう一人のサンケイ新聞の偉大な記者司馬遼太郎が、彼の柩の前に献辞を捧げたのが印象的だ。

 当時まだ若かった沢木耕太郎が、一度も会ったことがなかった近藤紘一のために、彼の遺著をまとめてくれたのも印象に残った。そういえば、沢木のこの本も30年以上前に読んでいる。残念ながら、「読書ノート」にその記録はないが。

Dscn2413_20201007113201 久し振りに図書館に行って、見つけたのが逢坂剛の新刊2冊だった。2冊あわせて1100頁弱だったが、あっという間に読んだ。逢坂剛は筋のしっかりした本も書いているが、お遊びの本も結構多い。この本も、どちらかというとお遊びの本に属する。彼の著作リストでは「西部劇」とあった。まあ、西部劇ではないがそれに近いものだ。

 とんでもないと思うが、函館戦争で中心になって戦った土方歳三が、ひょんなことからアメリカの商船に乗って、アメリカに密航した。土方はその函館戦争で頭に負傷を負い、記憶をなくしていた。船で密航したのを知った同乗の警察官が、彼をアメリカ国内に追った。また、日本からやってきた商社員も、土方のトレイルを辿った。行ってみれば、ドタバタ劇のようにも思える話だったが、これが結構読ませた。逢坂剛は、現存の偉大なストーリー・テラーだ。

Dscn2416_20201007114501 もう一冊、面白かったのが『神保町「二階世界」巡り及び其の他』である。私はサラリーマン時代を神保町で過ごした。そして、何よりこの神保町を愛していたのが逢坂剛である。神保町のトレビアルをそのまま逢坂は小説舞台にしているが、坂崎のこの本は私の知らない神保町だった。

 いわずと知れた、神保町は古本の街である。私もちょくちょく古本屋を覗いていたが、この本で描かれている古本屋の二階は、一階とは違った趣があるという。それは知らなかった。

 この本のかなで紹介された文学者、半村良・正岡容・吉田健一・安藤鶴夫・池波正太郎・山田風太郎・植草甚一・草森紳一・野田宇太郎の中で、もちろん名前は知っているが、親しく読んだのは池波のみというのも面白かった。奥には奥があるね。

【10月7日の歩行記録】9,322歩 6.2㎞

【10月7日のアクセス数】147アクセス 訪問者84人

|

« №5171 意外と毎日が充実 | トップページ | №5173 台風の名前 »

読書日誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« №5171 意外と毎日が充実 | トップページ | №5173 台風の名前 »