№4699 アメリカ大統領選の行方
11月3日は、アメリカ大統領選の選挙日である。投票日が迫って、にわかにアメリカが熱くなってきている。さて、トランプ対バイデン、選挙の行方はどうなるのだろうか。ニュースは、日本の政局をさておきアメリカ大統領選に注目しているようだ。
世論調査によると、選挙の終盤になってもバイデンの支持率がトランプを6~7%上回っている。普通は勝負あったと見るのだが、そうならないのがアメリカ大統領選挙だ。州ごとに勝った方が選挙人総どりというやりかたなので、全国の支持率がどちらの方が多いかというのは関係ない。しかもほとんどどちらかに決まっている州には、どの候補も選挙演説には行かない。もっぱら激戦州に通っているようだ。
激戦州は、ミシガン、アイオワ、ノースカロライナ、ジョージア、フロリダ、ペンシルベニアの6州である。このいずれの州でも、終盤の世論調査ではバイデンが上回っている。それならバイデンの勝ちかというと、どうもそうではないらしい。
前回の選挙でも、最後の調査でクリントンがトランプに勝っていた。ところが、いざふたを開けてみたらトランプが勝利した。「隠れトランプ票」が、この調査で読み切れていなかった。上記表にもあるように、今の獲得選挙人はバイデンが216に対し、トランプは125である。どちらかが270人の選挙人を獲得したら勝ちという。バイデンはもう54人で勝ちのような気がするが、そうはいかないのが摩訶不思議なところである。
事前投票は、郵便投票を含め1億人を超えたという。前回の総投票が1億3400万というから、8割くらいがすでに投票を終えている。この事前投票では、バイデンが有利という見方が出ている。この事前投票にケチをつけているのがトランプだ。いろいろと妨害工作もしているし、郵便投票は不正があるから認められないといっているのもトランプだ。そして、最後には裁判に持ち込んでも勝とうとしている。
何度も言っているが、トランプが大統領になったこの4年、アメリカ国内はもとより世界が大きく分断された。世界には、ミニ・トランプといわれる首脳も生まれた。「アメリカ・ファースト」というように自国第一主義で、自分さえよければ他は構わないという風潮が蔓延している。地球温暖化やWHOにとっても大きな障害になっている。世界中がトランプに迷惑しているのではないか。ヨーロッパでは、圧倒的にバイデン支持だという。ドイツでは、バイデン支持が8割に対しトランプ支持がわずか8%らしい。
それに、何よりもコロナウィルス対策に失敗している。アメリカではコロナウィルス罹患患者が920万人、死者が23万人を上回っている。いずれも世界最高である。それをトランプは、「私ほどコロナ対策に成功した人はいない。黙っていると100万人も死んだだろう」とずうずうしい。オバマケアをやめてしまったが、これを廃止したのがこれほどまでになった原因でなかったのか。トランプは、あらゆるところで嘘をつく信頼のおけない人物だ。
ただ、この選挙戦を見ると、アメリカ国内には熱烈なトランプファンがいるのも確かだ。バイデンの選挙が比較的おとなしいのに対し、トランプの選挙は熱狂的だ。この選挙戦だけ見ていると、トランプが圧倒的に勝利している。ただ、バイデンの優位が動かないだろう。
そこで問題になるのが、負けたトランプが大統領を退かない、ということだ。11月3日の選挙終了直後に、トランプは結果を見ずに「勝利宣言」を出すのではないかといわれている。従来、選挙直後に対立候補が潔く負けを認めることによって、アメリカ大統領選挙の良風は保たれてきた。民主主義の基本は、多数決である。それを認めないとしたら、アメリカは民主主義国家を放棄したことになる。
例えば、負けてもアメリカ大統領にしがみつくと、世界はトランプをアメリカ大統領と認めるだろうか。どうやってもその椅子を固持すると、南北戦争になる恐れもある。事実、投票所にトランプファンが武器を持って集まるという見方もある。こんなアメリカ大統領選は初めてのことだ。私も、もう4年トランプを見ていたくない。
【11月3日の歩行記録】8,902歩 6.0㎞
【11月3日のアクセス数】188アクセス 訪問者101人
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