カテゴリー「映画・テレビ」の66件の記事

2020年1月21日 (火)

№4412 来日外国人の好きな意外な場所

 私は、あまりテレビは観ない。根気がなくなったせいか、特に連続ドラマを見ることはない。女房が熱心に見ているNHKの朝ドラにも関心がない。だが毎週唯一楽しみにしているのが、テレビ東京の月曜夕方7時からの「YOUは何しに日本へ?」という番組だ。空港で外国人に取材し、なぜ日本に来たのか、日本のどこに行ったのか、どこが良かったのかを聞く番組だ。なかには「密着取材」と称して、その観光客に同行する場合もある。

 昨年日本を訪れた外国人は3000万人を突破したという。日本中どこに行っても、外国人を目にするのが珍しくなくなった。何より面白いのが、外国人が行く自分の知らない日本を発見することだ。来日外国人もよく研究をして来日しているようで、インターネット検索を便利に使っているようだ。

 そういう中で、先週の土曜日のテレビ朝日の番組で「ニッポン視察団!」という放送があった。なんとなく見ていたのだが、来日して東京観光をした外国人1000人にアンケートして、 東京で最も印象に残った場所を聞くものだった。2時間番組だったが、面白くて最後まで観てしまった。 

 朝4時に起きて、大勢の外国人が行く場所があった。豊洲市場の寿司屋だった。遅く行くと2時間待ち、3時間待ちになる人気の寿司店のようだ。店に来る7割は外国人で、店長が6か国語で外国人に対応するのにも感心した。おすすめのセットが5000円弱の寿司にも驚いた。私のように回転寿司にしか行かないものにとって、そんな高い寿司など食べたことがない。

 プロレスも高い人気のようだ。テレビ放映のないプロレスなど最近見たことはない。観客の7割は、やはり外国人のようだ。アメリカ人にインタビューしたのを見ると、「アメリカでのプロレスは、エンターテインメントの様相が強い。こんなに真剣に戦うプロレスの試合を観て興奮した」と話していた。一体、プロレスは東京のどこでやっているのだろうか。私も見てみたくなった。日本の漫画を目指してくる人も多いね。

 もう一つ印象に残ったのが、スカイツリー下にある水族館だ。ここも人気ポイントの一つというが、私は知らなかった。小笠原近海で釣り上げた珍しい魚が展示されているようだ。この水族館で働いている従業員の「魚愛」が凄かった。機会をみて一度行きたいもの、と強く感じた。この番組を一緒に見ていた女房は、銀座での色付き筆ペンにえらく興味を持っていた。「私の誕生日プレゼントに欲しい」そうだ。銀座が文房具の街、というのも初めて知った。

 番組に参加していた芸能人に、人気スポットの1位から3位までを予想させていた。誰でもが予想したのが、スカイツリーとか東京タワーとか浅草だ。ところが1位に上がったのは、誰も予想していなかった「西新宿」だった。ヘ~、来日外国人に西新宿ってそんなに人気があるスポットだったのだ。私も何度か行ったことがある商店街だが、そんなに人気があるとは思わなかった。一度、じっくり訪ねてみたい。

 【1月20日の歩行記録】8,446歩 5.7㎞

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2019年12月28日 (土)

№4387 50年目の『男はつらいよ』

Sdscn1685  この日上映が始まった『男はつらいよ お帰り 寅さん』を観てきた。この日は初上映で映画館は混んでいるだろうと思い、早めに目的の映画館に着いた。チケットは券売機で買えたが、買った時点ではそんなに混んでいなかった。ところが、上映が始まってみると満員になっていた。

 今年は、「男はつらいよ」の初上映が始まってから50周年になるという。主演の渥美清が亡くなったのが1996年だから、すでに23年たっている。この間、絶えずテレビで「男はつらいよ」のリバイバル放映がなされている。それほど人気のシリーズが、新たに作られたというので興味が湧いた。今まで作られたという49本のうち、私は半分ほど観ているかな。

 今回新作を観て思ったのは、皆さん年を取ったなという感慨だ。助演の倍賞千恵子は78歳、かつてのマドンナ浅丘ルリ子は来年で80歳になるという。さらにゴクミのあだ名で呼ばれた後藤久美子は45歳、ちなみに監督の山田洋次は88歳になる。当たり前のことだが、唯一年をとっていないのが寅さんというのも皮肉だね。年齢は余計なことかもしれないが、この映画を観て50年という年輪の深さを強く感じた。

 この映画は、前49作を隅々までよく知っている山田洋次監督でなくてはできなかった映画だ。しかも良かったのは、単なる懐かしいリバイバル映画で終わらせなかったことだ。きちんとした筋の中に寅さんを浮き上がらせる、観ている観客に映画が始まってから目を離せない、飽きの来ない話になっていた。脚本家でもある山田洋次の周到さを伺えた。

 今回の主演は、さくら(倍賞千恵子)と博(前田吟)の間の子満男(吉岡秀隆)だ。ストーリーの主要な部分に寅さんが浮き出て来ていた。寅さんは懐かしい感じというよりも、ストーリーを動かす役としてだ。やはり、この映画の主演は寅さんだったのだ。

 たくさんのエピソードもちりばめられていた。一時、寅さんはリリー(浅丘ルリ子)と同棲し、結婚する寸前まで行ったらしい。最後の一歩を踏みだせない寅さんの前を、後ろ髪を引かれる思いで去って行ったリリーのエピソードが描かれていた。

 2時間余りの映画だったが、私は画面に吸い付けられるように観た。隣で見ていた女性は、ハンカチで涙を抑えていた。年末に観たとっても良い映画だった。

【12月27日の歩行記録】13,601歩 9.1km

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2019年10月29日 (火)

№4327 DVD『戦場にかける橋』を観る

 私は映画館には通うが、ほとんどレンタルビデオ店でビデオやDVDを借りることはない。ところが、今回は近くのレンタルビデオ店に会員登録をして、DVDを借りることにした。どうしても映画『戦場にかける橋』が観たかったからである。なぜ今更古い映画『戦場にかける橋』かというと、今度の海外旅行に関係がある。

 既に報告しているが、11月上旬から7日間タイのバンコク旅行に行ってくる。今回はバンコクだけに滞在するのだが、バンコクでどう過ごそうか、ガイドブックを見ながら考えていた。私はこの30年間、バンコクに5~6回ほど滞在している。その都度、バンコクの変容を見てきた。ずいぶんバンコクは変わった。当初なかったモノレールが、日本の協力で、街中に張り巡らされた。多分、バンコクの街は近くに大河チャオプラヤー川が流れており、地下鉄は掘られないのだろう。

 交通渋滞も深刻だ。車が多すぎて、なかなか前に進まない。抜本的に公共交通機関が発達しない限り、この問題は解決しようもない。ひところの日本の交通渋滞をはるかに上回る。因みに東京の交通渋滞が解決した一つの要因に、地下鉄があちこちに張り巡らされたことがあるのではないか。バンコクはそれができないので、渋滞の解決はなかなかはかどらない。

 人口集中であちこちで渋滞するバンコクは、本当いうと滞在していて疲れる街だ。なぜそんなに疲れるバンコクに行きたいのか、私も不思議に思う。ただ、混沌というかカオスのバンコクの街には、街歩きの発見がある。エッ、こんなことがあるんだという驚きや発見がある街だ。しかも、比較的安全な街だ。変なところに入り込まない限り、今まで危険を感じたことがない。

Sdscn1116  そんなバンコクだが、今まで行っていない場所が結構ある。その一つが、カンチャナブリである。バンコクから車で3時間ほどのところにある町だ。カンチャナブリで思い出すのが、映画『戦場にかける橋』の舞台である。今回はカンチャナブリに行ってみようと思っている。行く前にどうしても観ておきたかったのが、映画『戦場にかける橋』だ。そこでDVDをレンタルしてきて観た。

 この映画は、1957年前に上映された62年前の映画だ。私は観たと思っていたが、考えてみると小さ過ぎて多分観ていないのだろう。ただ、この映画の主題歌「クワイ川マーチ」は、口笛とともによく知っていた。日本語の題は『戦場にかける橋』だが、原題は『Tha Bridge on Tha River Kwai』といい、クワイ川にかける橋の言いだ。

Photo_20191029113901  2時間余りの映画だったが、パソコンで観た。2時間パソコンの前に座っているのは辛かった。まあ、それでも観れてよかった。この戦場で何があったのかは分かった。

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2019年9月20日 (金)

№4288 映画「人間失格」

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 映画「人間失格-太宰治と3人の女たち」を見てきた。太宰治は、今年の6月に生家の「斜陽館」を訪ねてきて印象に深い。主要作品は読んでいるつもりだが、そんなに関心を持って読んでいたわけではない。さらに、東京シニア自然大学の講座で玉川上水を訪れ、この上水で太宰治の入水の自殺に感慨を持っていた。ただ、今は玉川上水はチョロチョロ流れる小川だ。

 この映画は、監督の蜷川実花の大胆演出でも話題の映画だ。入場券購入でわかったが、この映画はR15で、15歳以下の入場制限だった。そんなにきわどい映画なのだろうか、そういう意味でも期待を持った。

 主演の太宰治は、小栗旬だ。結構な熱演だった。そして3人の女とは、正妻津島美知子(宮沢りえ)と第一愛人太田静子(沼尻エリカ)、第二愛人山崎富江(二階堂ふみえ)だった。相当実像に沿った映画を作ったという話を聞くと、太宰治という男は相当いい加減な奴だったのではないか。毎晩お酒を飲み歩き、タバコは欠かさない。それと、女とみると所かまわず手を付けていったようだ。

 映画で見ると、太宰は何度も入水自殺を図り、「今度はどの女と入水自殺を図るつもりか」などと仲間に揶揄われていた。戦後間もなくの1946年、無頼派を粋がる太宰のスタイルだったのか。

 そういう太宰を蝕んでいたのは、肺結核だった。酒を飲み、タバコを吸っては血を吐いていた。医者には、どうしてここまで放っておいたのかと呆れられていた。医者にどんなことを言われても、太宰は生活態度を変えなかった。彼の周りには、死の予感が漂っていた。

 一方で、子ども3人を抱えた正妻のところには、家一軒建つほどの飲み代の請求書が突き付けられた。ただ、太宰の作品は飛ぶように売れていた。その当時「斜陽」、「ヴィヨンの妻」などが売れに売れて、売れっ子だった。編集者や取り巻きが、太宰の周りにはいつも黒山だった。ただ、ある時その飲み屋に現れたのが三島由紀夫だ。「私はあなたのような文学作品は、認めません」と宣言した。

 正妻美知子は、いつか太宰がとんでもない傑作を書いてくれるのを期待して、その生活態度に耐え忍んでいた。美知子は地味な女に描かれており、宮沢りえはミスキャストではなかったのか。

 山崎富江(二階堂ふみえ)は、女房がいようが第二婦人がいようが、とにもかくにも太宰が好きだった。富江から「一緒に死のう」と持ち掛けた。太宰は「そうだね」と気のない返事を繰り返したが、無理に玉川上水に引っ張って行って入水自殺を成し遂げた。

 蜷川実花監督の4作品目とのことだが、何しろ映像がきれいだったね。R15指定作品という割には、大人しいような気もした。

 

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2019年9月 4日 (水)

№4272 映画『天気の子』

Sdscn0855  今年の夏大爆発した新海誠監督の映画『天気の子』を観てきた。新海誠監督は、3年前の2016年にも『君の名は。』で大ヒットを飛ばした監督である。『君の名は。』は興行収入でもトップの成績で、世界で配給され、250.3億円は稼いだ映画だ。歴代興行収入は、『千と千尋の神隠し』『タイタニック』『アナと雪の女王』に次いで四番目だったらしい。

 今回上映されている『天気の子』の勢いは、『君の名は。』に負けないという。9月に入って、すでに875万人の動員、116億円の興行収入があった。さぞや映画館は満員じゃないかと入場してみたが、平日の昼というせいかガラガラだった。広い映画館に20人も入っていただろうか。まああ、土日は入っているのだろうが。

 この映画は、新海監督が原作の映画だった。一種のファンタジーアニメだ。

 その年は、東京は異常に雨が多かった。様々なイベントが中止になった。そこに異常な能力の持ち主・天野陽菜の登場である。彼女は、ピンポイントである場所を晴にする能力があった。これに目をつけたのが、伊豆諸島からやってきた家出少年森嶋帆高である。この能力をネットで宣伝し、金を稼ごうとした。

 たとえば神宮外苑での花火大会だ。当日の予報は雨だった。陽菜の能力で、神宮外苑の周りだけは雲が切れ、無事花火大会が挙行された。ただ、陽菜の能力には限界があり、能力を使えば使うほど彼女の存在が希薄になっていった。そしてとうとう天に召されて行ってしまった。帆高は、陽菜を取り戻そうとする。そして、天に上って無事取り返すことができた。

 その後は、晴れていなくてもいいじゃないかというので天気能力を使わなかった。東京は3年間雨が降りっぱなしで、水没してしまったという物語だった。

 アニメの画像は素晴らしく、映像もきれいだった。ただ、私のこの映画の感想は、なぜこんなにヒットしたのかわからない、というものだ。きっとファンタジーを理解する能力に欠けているせいだ。

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2019年7月 6日 (土)

№4213 映画「新聞記者」

 暇な時には話題の映画を見ることにしている。新聞に「新聞記者」の映画評が出ていた。ネットで上映館を探したが、いつも行っている映画館では上映していない。時間が合うのは、さいたま新都心のcocoonだ。30分前に着いたが、空席は残りわずかだった。ちょっと見にくいが、スクリーンの前の席が空いていた。やむを得ないね。平日のお昼なのに、映画館は久し振りに満員だった。

Img201907051112401  この映画は、あちこちに現安部政権への批判や、強烈な皮肉の混じった映画だった。舞台は、内閣情報調査室である。この調査室は、政権を支える様々な画策をしている。批判勢力には、蔭から圧力を加える。そいう中で、この調査室に勤務する杉原(松坂桃李)に、世話になった先輩が唐突に自殺するという事件があった。なぜ自殺しなければならなかったのか疑問を持った杉原は、ひそかに調査を始めた。

 そこに、とんでもない計画が隠されていたのを知った。経済特区に医科大学の新設計画だ。この計画も、主管官庁の文部科学省や厚労省ではなく、内閣の主導で進められるのだという。まるで加計学園のような話だ。しかも、その医科大学の主な目的は、医者の養成ではなく生物秘密兵器の開発が目的、と秘密文書に書かれていた。このとんでもない一級秘密文書を抱えて、先輩は自殺したのだ。

 一方で、この事件を追っていた女性記者がいた。主演の女性新聞記者吉岡は、韓国人女優シム・ウンギョンだった。あまりよく知らない女優だったが、彼女の好演が光った。政府の秘密の壁は厚い。それをこじ開けるのは並大抵ではない。あちこちに内閣情報室の目が光っている。もちろん、リークしようとする者にも容赦がない。

 杉原はこの情報は秘密にすべきではないと決断し、吉岡に打ち明けた。吉岡の上司も、この情報をニュースにすべきかどうか迷った。杉原が、「紙面に自分の名前を出してもいい」とのことで、情報公開に踏み切った。もちろん、新聞ではトップニュース扱いになり、他紙もこの情報を追った。すぐにも杉原のリークだったと、上司は嗅ぎつけた。

 さて、その後の杉原と吉岡に何が起こったのだろうか、何も描かれないままにこの映画は唐突に終了した。観客には、さてどうなるのか含みを持たせたのか、消化不良のままに終わらせられたのかはわからない。それにしても衝撃的なクライマックスだった。

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2019年6月18日 (火)

№4195 映画「空母いぶき」を観る

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 先日高校同窓会で、映画監督の若松節朗さんが「私が作った映画『空母いぶき』をぜひ観てください」と訴えていた。私も映画は嫌いではない、早速観に行くことにした。月曜日のせいか、映画館は数えるほどしか入場客は入っていなかった。

 この映画は、かわぐちかいじのコミックを原作にしているようだが、原作は読んでいない。もちろん、前の作『沈黙の艦隊』も読んでいない。そもそもコミックを読む習慣はないのだ。さらに、この映画は戦争映画だったが、戦争を題材にした映画もあまり見ていない。それならなぜこの映画を観たかというと、唯一、監督若松節朗がどういう映画を作ったかに興味を抱いたためだ。

 日本はその計画はありつつも、いまだ空母を持っていない。現在、空母を持つ是非も論じられている。映画は、あるクリスマスイブの前日、仮想国の東亜国が自衛隊に攻撃を仕掛けるというものだった。太平洋の南鳥島の近くに、初島という島がある想定だ。初島を占領した東亜国が、さらにその島に向かう自衛隊空母いぶきに攻撃を仕掛けてきた。

 潜水艦からミサイルを発射し、さらには戦闘機で攻撃を仕掛けてきた。ものすごく大掛かりな仕掛けだった。いらぬ心配かもしれないが、これだけの大仕掛けにずいぶん映画制作費がかかったのではないか。

 さらに、この映画には色々な小細工もあった。中井貴一が演じるコンビニの店長が、クリスマスプレゼントの長靴にお菓子を詰め込む作業をしている間に居眠りをしてしまった。このシーンは何の隠喩か考えたが、戦争が起こるのはあっという間だし、終わるのもあっという間ということだったのか。いわばわずか24時間の出来事だった。


 映画は面白かったが、私の好みではなかった。

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2019年6月 8日 (土)

№4185 映画「長いお別れ」

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 映画『長いお別れ』を観てきた。私にとって『長いお別れ』は、レイモンド・チャンドラーの同名の小説である。探偵フィッリップ・マーロウの活躍する探偵小説だ。今回の映画の原作は中島京子で、以前同氏原作の『小さいおうち』の映画を見た。黒木華主演の映画だった。

 今回の映画は、テーマは認知症だった。このところ、老人の交通事故の話題で世情を賑わしている。主な原因はアクセルとブレーキの踏み間違いのようだが、アクセルとブレーキを踏み間違えるなどは信じられない。どうしてそんなことが起きるのだろうか。

 老人(山﨑努)は元中学校の校長で、2007年、70歳ころから認知症の症状が出ていた。老人には二人の娘がいた。お姉さん(竹内結子)はアメリカに住んでいて、旦那と一人息子が一緒だった。妹(蒼井優)はフリーターで、飲食店に勤めたり、自分で飲食店をやったりしていた。蒼井優は,このところ山里亮太との結婚で話題になっている。

 認知症が始まったのは2007年で、当初は軽いものだった。当初は妻(松原智恵子)の手で足りたが、病気の進行とともに妻だけでは足りない。勢い、娘たちが手伝いに来た。姉も、問題の起きるたびにアメリカから帰国する。ただ彼女にも不登校の息子を抱えていた。負担は妹に多くかかってくる。

 年を経るにしたがって認知症は進行する。40年住んでいる家で、老人は仕切りに家に帰りたがった。田舎の家に連れていってみたが、どうも彼の帰りたがっている家は、田舎の家ではないようなのだ。また、老人は読書好きのようで、難しい本を読んでいる。アインシュタインの「相対性原理」の文庫本は、読んでいるのは逆さまだった。認知症が進行しているのだろう。

 認知症発症から6年、2013年には食事もとれなくなった。徐々に弱まる老人を家族で見守るこの映画は、認知症を抱える家族の問題、家族の温かさなどを考えるきっかけになる佳作の映画だあった。

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2019年5月23日 (木)

№4169  映画『ニューヨーク公共図書館』

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 先日、新聞の映画評に『ニューヨーク公共図書館』が載っていた。上映されている映画館は、神保町の岩波ホールだった。上京を機会に、この映画の鑑賞をしてみよう。久し振りの岩波ホールであった。以前はちょくちょくここで映画を観ていたのだが、芸術性の高い映画というか、あまりにもつまらない映画の上映が多かったので、最近ではめったに行っていない。なんといっても、映画は楽しめなくちゃね。

 岩波ホールは、最近にない客の入りだった。午後2時15分の開演だったが、入口に多くの人が並んでいた。こんなことってめったにないことだ。とはいっても満員には程遠く、平日のホールは結構空席が目立った。私はこのホールでは後ろから二番目の真ん中で見ることにしているが、前の列は人がいなくゆっくり鑑賞できた。0

 最近にないことだが、この映画は3時間40分の映画だった。こんな長い映画を観るのは久しぶりだが、中間には映画が中断し、トイレタイムを設けていた。これも珍しいことだ。どうしてもメッセージ映画だと、最初眠ってしまう。どうだろうか20分も寝ていただろうか。ようやく目を覚ましたのは、午後3時ころだ。それからは熱心に観た。

 あまりよく知らなかったが、「ニューヨーク公共図書館」は観光の名所らしい。この図書館は、〈世界最大級の「知の殿堂」〉として知られているようだ。「知の殿堂」図書館は、大英博物館(British Musuem)だけかと思っていた。この映画で初めて知ったのだが、この図書館は4つの研究図書館、88の分館を合わせ92の施設からなる巨大なものだった。

 映画は図書館を支えるスタッフに焦点が当たっていたが、図書館は本を貸すだけではない。どう運営していくのか、熱心な討議は連日続いていた。講演会、研究会、読書会などは当然として、この図書館では音楽会、映画鑑賞、パソコンの講座など、知にまつわるあらゆることが行われていた。「情報の孤児」にならないために、初心者用に無料講座などもやっているようだ。

 「Picture Library」では、無駄な写真も有益な写真も収集し、開示していた。黒人専用の研究図書館なども、この映画で知った。今でもアメリカのマグロウヒルの教科書には、「多くの黒人は、アフリカから仕事を求めてやってきた」と書かれているようだ。そんな馬鹿なことはなく、奴隷船で強制的に連れてこられたのが実相なのだ。そういう啓蒙活動も、図書館の重要な役割である。

 いずれ3時間40分にわたって、図書館はどういう役割を果たすべきか、この映画では滔々と語られていた。この映画を観ながら、わが日本の図書館はどうなのかいやでも考えてしまった。私は図書館のヘビィユーザーだと思っている。ただ、この映画を観る限り、私は市の図書館で本を借りているのに過ぎないのだ。

 面白いシーンもあった。ニューヨーク公共図書館の頭の痛い問題に、ホームレスにどう対処するべきかの議論をしていた。図書館は、冷暖房完備で、極めてホームレスには居心地のいい場所なのだ。これは日本でも同じことだろうね。この映画で、図書館の抱える様々な問題についても考えるきっかけになった。

 映画が終わったら、午後6時を回っていた。

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2019年3月 5日 (火)

№4097 映画『グリーンブック』

 朝、女房が「映画を観に行かないか」と声をかけてきた。極めて珍しいことで、いつもは女房は女房、私は私で映画に行っていた。実は、この日はゴルフの予定があったのだが、あいにくの雨で急遽中止になった。

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 私は、それなら映画を観に行く心づもりをしていた。私が観たかったのは、埼玉映画『翔んで埼玉』という映画だ。どこの映画館もいっぱいで、次の上映待ちという人気の映画だ。その話をすると、女房が観たいのは『グリーンブック』だという。私は、その映画に付き合うことにした。

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Img_8108  朝10時半からの上映予定というので、早めに映画館に行ったが、券売機の前はいっぱいだった。平日の朝なのに何だろうと不思議に思ったら、件の『翔んで埼玉』を観る客のようだ。えらい人気だ。

 今回は『グリーンブック』を観るが、近いうちにこの映画も観に来よう。

 それにしても『グリーンブック』は望外に素晴らしい映画だった。この映画は、実話に基づいて作られたという。舞台は、1962年のアメリカだ。南部でコンサートを行おうという黒人ピアニスト、ドクター・シャーリーに運転手として雇われたイタリア系白人トニー・リップの奇妙でしかも美しい行脚旅行の話だ。

 トニー・リップは、「コパカパーナ」というキャバレーの用心棒を務めていたが、キャバレーが休業で失業していた。そこに、ピアニストの演奏旅行の運転手をしないか、との話が舞い込んできた。トニーは、その当時の実情通り、黒人差別主義者だった。黒人のお抱え運転手はまっぴらごめんと、条件を上げて、その通りならやってやろうといった。ドクター・シャーリーはその条件を飲んで、珍道中旅行が始まった。

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 それにしても、当時のアメリカ南部の人種差別はすさまじいものだった。ケネディが大統領の時代だから、そんな古い話ではない。黒人専用のホテルを紹介する本が、「グリーンブック」だった。その小冊子がなければ、黒人が泊まるホテルは探せない。

 演奏旅行で招待されているのに、招待者が用意しているのは物置部屋だった。当然、ホテルのレストランは、黒人は入れない。クリスマスパーテーに演奏を依頼されたのに、部屋もレストランも拒否された。400人の観客が彼の演奏を待っているのだが、あまりの仕打ちにキャンセルしてしまった。

 1か月の演奏旅行(実際は1年だったらしい)を終えニューヨークの自宅に帰ったが、トニーの家では近所の人が集まってクリスマス大パーテーをしていた。一方で、ドクター・シャーリーの豪華な部屋には、待っている人は誰もいなかった。その後のどんでん返しは、ほのぼのさせるものだった。

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