№2356 【癌を見つけない】生き方
この日は、医師の松本光正先生の『癌は見つけない~高齢者医療を考えよう~』という講義だった。この先生の話は、以前いきがい大学でも聞いており(その授業の講義の模様を、私のブログからリンクしておく)、その時には高血圧の話だったが、非常に面白かったと記憶している。
彩の国いきがい大学の先生の授業は4年前だったが、あらためてその記事を読んでみると、今回の講義とトーンは全く一緒だった。ただ、今回のテーマは『癌』である。『癌』とどう対処したらいいのか、示唆に富む話だった。
先生は、「最初に結論を言うが、①知らぬが仏・癌を発見しようと思わないこと、②負けるが勝ち・癌と闘わないことが大事だ」と強調していた。
そもそも、一生懸命に健康診断を受けて早期がんを発見しようというキャンペーンが行われているが、【健康診断】はほとんど意味がない。人間の細胞は、周期的に死滅し新しい細胞が生まれることを繰り返している。ところが、厄介なことに癌細胞は死滅しないというのだ。
癌細胞は増殖を繰り返し、たとえ1ミリメートルの癌でも100万個の細胞を持っている。いま医学的に見つかる癌は2センチメートルの癌だが、その時には何億個という癌細胞の塊になっている。当然、発見される時には人間のあちこちに転移しているので、見つかった時にはどんなに【早期】でも、手遅れになっているのだと言っていた。
早期発見で、癌細胞を切るとか放射線とか薬で治そうとするのだが、病原巣を叩いても、全身に広がっているのでほとんど意味がないと強調する。それなら、早期発見の治療で直ったのをどう説明するのか。
「癌は、今の医学では直らない病気だ。早期発見で直ったのは癌ではなく、近藤誠先生の言っている【がんもどき】なのだ」そうだ。まして、抗癌剤は【抗癌罪】で、ただ製薬会社を儲けさせるのみだと、ここでも医者と製薬会社のたくらみを述べていた。
それでは癌に罹ったらどうするのか。「【癌】は末期に見つけること。そして、癌とは闘わないこと。癌は人間の老化現象でもある。老化現象を直す医学などあろうはずがない」と、また松本節だ。さらに強調していたのは、「癌は死ぬのにちょうど良い疾病。脳梗塞や心臓麻痺のように突然死ということはない。少なくとも、癌を宣告されてから死ぬまで3ヶ月ほどの時間的な余裕がある。その間、自分の人生に始末をつけるにちょうど良い時間が残されている」というのだ。
ところが、癌を発見した医者は、そのまま放置させてくれない。やれ健診だ、レントゲンだ、CTだ、PETだと人間の体を放射線漬けにしている。これの方がよっぽど有害なのに。医者は、【癌は直らない病気だ】ということを理解していない、とこれもまたユーモアを交えて説明していた。
それでは、癌は予防できるのか。人間の体は60兆個の細胞から成り立っている。1日10,000個の細胞が新しく出来ては、死滅している。その中から、何の原因かは分からないが癌細胞だけが生き残る。発生要因に、内因説=ストレスと外因節=食習慣があるが、はっきりは分からないのだそうだ。
【癌】に効く最大の薬は【笑】だそうだ。「病院に通うより、なんば花月=吉本に通え」と、これも先生の持論を再度展開していた。
2時間余りの授業だったが、非常に示唆に富むものだった。いずれ、自分も老化=癌になるのだろうから、その心構えは持っていたいものと考えた。
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